ゲーム
4
朝餉を頂戴すると、城を出る支度をする。
とはいえ、身一つで来たから手間取ることはない。
唯一の手荷物は、政宗殿が持たせてくれた土産だけだった。
「…あ、で、では…某はこれにて…」
これまた政宗殿が用意してくれた馬に跨り、
帰路に着こうとした瞬間、
「また、来んだろ?…幸村」
・・・・・・初めて、名前で呼んでくれた。
「…政宗殿…。今、何て…」
「あ?…また来んだろ?」
「違う!その次でござる!!」
「…Ah―……幸…村…」
少し俯いて。また耳まで真っ赤にして。
本当に可愛い人だ。
そう思ったら、また居ても立っても居られなくなって。
馬から降りて、また抱き締めてしまった。
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