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ローが浮気してます。苦手な人はバック!







バンッ!と言う音がたって、凄い勢いで教室のドアが開いた。そこには肩で呼吸するナミがいた。つかつかと音を立ててナミが私に向かって来た、肩を掴まれて揺さぶられる。ナミが私にだけ聞こえる様に話しかけてきた。



「ヒロイン!ちょっとどういうこと!あんたまさかトラファルガーと別れたんじゃないでしょうね!!?」

「ん、別れてないよ?」



ナミは驚いた様に肩から手を離した。ナミが言いたい事はわかる。それでも、ローが好きな私は、幼なじみのキッドが言う様に馬鹿なのかもしれない。



「ヒロイン、落ち着いて聞いて。昨日、トラファルガーは「うん、知ってる。」



上手く笑えただろうか、きっと、ひきつっているに違いないけれども。



「、あんた……」

「全部、知ってるよ?それでもローが好きだから。知らない振りするしか無いの。私、間違って、ないよ、ね?」



視界が滲んできた。ここは学校で、涙なんか流したく無いのに。何とか唇を噛んで、堪える。



「そう、あんたがそれでいいなら私は何も言わないわ。何かあったら言って頂戴?私たち友達なんだから、ね?」



その言葉が嬉しくて、今度は心の底から笑えた。ナミは自分の教室に帰って行った。



「ヒロイン」



聞き覚えがありすぎる声に勢いよく振り返ると、ローがいた。



「今日、一緒に帰れなくなった。悪ィな」

「うん、大丈夫だよ?」

「今度な」



そう言ってローは教室からいなくなった。サボるのだろう、屋上・保健室・数学準備室。上げだしたらキリが無いくらい、この学校はサボる場所がいっぱいある。



「授業始めるぞー、教科書86ペー………」



キッドに今日、一緒に帰ろうとメールを送った直後、先生が入って来て授業を開始する。それが子守唄に聞こえて、私は思考を閉ざした。






「………ィ……ォィ!…オイ!起きろ!」



キッドに叩き起こされる。



「ん〜、キッド、おはよう。」

「おはようじゃねェよ、いつまで寝てるつもりだ。」

「ごめん。」



ふぁ、と欠伸をして鞄をとる。キッドの隣に並んで学校を出た。



「ね、キッド。隣町のショッピングモールに着いて来て貰っていい?」

「あァ」

「明明後日、ローのね、誕生日なの。だからキッドに着いて来て欲しくて。」

「…早く行くぞ。」

「ちょっ、キッド、早い!」



早足で歩くキッドを見た時、後悔した。私の目はどうして余計な物を写すのかと。綺麗な人。私がどう頑張っても勝てない様な人。ローはその人に笑顔を向けていた。私はその瞬間、わかったんだ。ローのそばに、もういちゃイケないと。涙が零れ落ちそうになった瞬間、大きい掌が私の視界を覆った。そのまま頭を抱える様にして歩かさせる。ありがとう、キッド。だから、早足だったんだね。ごめんね、ごめんね。



「、ぅっ、…え、……」

「……、帰んぞ」

「っごめっ…!ありが、と」

「別に、いい」



今はその手の温もりが嬉しかった。明日、早いけどローにプレゼントを渡そう。別れという、とっておきのプレゼントを。





(ナミに伝えたら、一緒に泣いてくれた、私の代わりに怒ってくれた。キッドはずっと隣で頭を撫でてくれた。)

(でも、駄目だった。どうしても彼が好きみたいだ。でもサヨナラしなきゃ、彼を自由にしてあげなくちゃ)








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