[携帯モード] [URL送信]
主人の役目

何だこいつ、虫が良すぎるぞ。
まあ大好きと言われて悪い気はしないな。
寧ろ萌え(略)
 
 
 
「つか、そのご主人って呼び方止めてくんない?」
「ではご主人のお名前を教えて下さい」
 
「澄谷 明(Mei Sumiya)、っていうんだけど…」
「そうですか、分かりました」
 
 
 
そう言って彼はまたニコリと笑う。
この名前、よくアキラって間違われるんだよね。
だからあんま好きじゃないなー、とか思ったり。
 
 
つか私こそコイツの名前聞かなきゃ。
「私のPC」じゃいくら何でも可笑しい。
つかPCに名前なんてあるもんなのか?
 
 
 
「ね、貴方の名前も教えてよ。あるんでしょ?」
「名前ですか?ありますよ、勿論」
 
 
 
あ、やっぱりPCにも名前在るのか。
つか「勿論」って強調しなくて良いよ。
 
すると、彼は唇を開く。
 
 
 
「Windows98 Ver.####です」
「…………」
 
 
 
名前ってそれかアアアアアアア!!
何で?!PCのOSを聞いてる訳じゃないんだよ!
 
あ、でも名前無いのか…
それは何か可哀想だな。
 
 
 
「んじゃ!私が名前をあげるよ」
「え、本当ですか?」
「どー、んなのが良いかなぁ…」
 
 
 
本当に、どんなのにしよう。
名前とか考えるの苦手なんだよね…
HNも考えるの下手だし、どうしよ。
 
 
 
私がうんうん考えると彼は此方を見てきた。
目が合う。ああコイツの目、菫色だ、綺麗。
 
 
 
あれ…?こいつ私の好きなキャラの蓮に似てる!
うおお!どうしてもっと直ぐ気付かなかったんだ!
そうか、だからやけに萌えたのか、謎が解けたぞ。
 
 
 
「よし!あんたの名前は今日から"蓮"だ!」
「蓮ですか…ふふ、有難う御座います」
 
 
 
彼はニコリ…じゃなくニヤリと笑った。
何か…意地の悪い笑い方だ。
さっきまで可愛く笑ってたのに。
 
 
 
つか…
 
 
 
「PCに戻れない訳?」
「出来る事なら戻りたいです」
「"出来る事なら"って何よ?」
「戻り方が分かりません…」
 
 
 
阿呆かコイツは!!!1
 
自分で来といて戻り方分からないとか…
馬鹿以外の何者でも無いね。
あ、PCか。
 
 
 
まあ私も家に置くって決心したし。
親に言い訳するのは大変だけど…
子供を夜中まで1人きりにする親は文句、言えないよね。
 
 
 
「んじゃ、これから宜しくね、蓮」
「ふふ、宜しくお願いします」
 
 
 
めい は ちかいの あくしゅ を かわした !
(ポケ○ンのゲームを意識)


[前へ*][#次へ]

あきゅろす。
無料HPエムペ!