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本当の笑顔

さっきまでまともだった麻衣子の顔色が悪くなる。
蓮…やってくれるぜ!な、なんて奴だ!
人間じゃねえ!(そもそも人間じゃない)
 
 
私が色んな意味で興奮すると蓮は続ける。
黒い笑みを浮かべて、軽い物腰で、嫌味を交えて。



「僕が貴女の様な女性と付き合うとでも思いましたか?」
「な、何で!嘘だった訳?!サイテー!」
「最低なのはどちらでしょうねえ…」
「アタシは最低なんかじゃないし!」
「虐めなんかで楽しむ方が最低でしょう?」
 
 
 
麻衣子がぶちギレて暴言を吐いても蓮は全く動じない。
それ所か余裕そうだ、顔色さえ変えない。
淡々と喋る蓮、最早鬼!悪魔だ!萌え!
 
 
それに蓮の言ってる事は正しい、蓮に負は無い。
(まあ、麻衣子の事嵌めたからアレだけど)
 
麻衣子、顔真っ赤にしてキレてる。
なんだかスッキリした。



「第一、僕は貴女の様な醜い心の方とは関わりたくない」
「………っ」
「やはり澄谷さんが1番です、貴女方とは大違い」
「…も、もうアタシ帰るしっ!」
「携帯に貴女の無様な姿が記録されてる事、忘れないで下さいね」



麻衣子の目の前にかざされる携帯。
ああ、もう無理だな、と悟った。
明日は学校来ないだろう、うん。
 
麻衣子はこういった仕打ちに慣れてないだろう。
人を虐めるのは辛さが分かってないから…だし。
 
 
 
そそくさと携帯を弄る女子達の元に駆け寄る麻衣子。
何か女子の間でもめている…どうしたんだろう。
まあ、あいつらはもめながらもグダグダ帰っていった。
 
取り敢えず一安心した。
 
 
 
「…スッキリしました」
「うん、私も超スッキリした!」
「それは良かったです」
「有難うね、蓮」
 
 
 
私がお礼を言うと蓮はにこりと笑う。
自分に何か良い事があったかの様に。
本当にPCなのかな、人間みたいなのに。
 
つまり、あの麻衣子の写メやムービーを弱みに使う訳か。
女子達も麻衣子の態度に参って携帯弄ってたし。
 
頭が回るな蓮、その点がPCらしいのか。
これで私への虐めも無くなれば良いんだけど…
 
まあ、良いか。
 
 
そういや、私達は本屋に行く途中だった。
早く行かなくては遅くなる。


「本屋行こう、蓮」
「はいっ!」
 
 
心無しか空が晴れてた(気がした)


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あきゅろす。
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