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黒い笑み。

「…出来ないんですか?簡単な事でしょう」
「で、出来る出来る!マジ超簡単ー」
「そこの方々もこの様をよく目に焼き付けるんですよ」
 
 
 
笑いながら恐ろしい事をすんなり言う蓮。
流石の麻衣子も若干不安か何かに色を変えた。
まあこれくらい簡単だよね、誰にでも出来るよ。
 
プライドが許せば。
 
 
「そこの方々」とは一体誰だ?と蓮に視線を移す。
蓮の視線の先にはやはり例の女子達だった。
何だ奴等、写メ撮ってやがる、許可取れや。
つか鼻息荒くすんな、豚か…え?


そのうち麻衣子は躊躇しながらも腰を低くする。
コンクリ濡れてるんだよね、朝まで雨だったから。
可哀想に可哀想に…とは思わなかった。
 
 
前方の女子達は…麻衣子を気にもしてない様だ。
やっぱり仲間意識なんて到底無いんだな、残念。
蓮はその様をニコニコしながら見てる。
 
 
流石は蓮!俺達に出来ない事を平然とやってのける!
容姿のお陰だろうが麻衣子を簡単に動かせるなんて!
そこに痺れる憧れ(略)
 
 
 
「ね、あの」
「ん?どうした、蓮?」
「携帯はありますか」
「あるけど…はい」
 
 
 
麻衣子が地べたに手をつく頃、蓮は携帯を求める。
一体携帯で何をするつもりなんだ?電話?誰に?
と、考えていると蓮はカシャり麻衣子を撮りだした。



「れ、蓮んんん!!」
「ふふ」
 
 
 
ヴあ゙あ゙ああ゙あ!!!!11
流石にそれはヤバい!キレるよ!
というかそんな物騒な物保存すんなアアア!

私が色々ビビってると麻衣子の顔も青く染まる。
前方の女子達は…何か赤外線通信やってた。
 
 
 
「しゃ、写メは撮る必要無いでしょ?!」
「僕を彼氏にしたくないんですか」
「…そりゃっ、現カレより貴方の方が数倍良いし!」
「その点は素直ですね」
 
 
 
蓮と泣きかけの麻衣子が会話を繰り返している。
数倍良いって…よっぽど汚い面の彼氏なのか。
「その点は素直」というのに吹いた、とても嫌味。
 
 
一方、蓮は平然とした様子で撮ったり保存したり。
「ロック掛けました」なんて笑顔で言っちゃってさ…
可愛いんだか恐ろしいんだか分かんないよ。
 
 
存分に写メを撮ったのか満足した顔で蓮は携帯を…
返してきたんではなくムービーに切り替えた。
ま、まさか…いや、でも…今の蓮にはやりかねない。


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あきゅろす。
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