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復讐始まる

…沈黙が、約5秒。
 
何を言い出すんだ、蓮の奴。
第一、私は蓮の彼女じゃない。
強いて言えば持ち主…つまり保護者。
 
一体何を考えている?
 
 
 
私もチラリと後ろを向いてみた。
唖然とした表情を浮かべる麻衣子達。
ポカン、と口を開ける様に笑いそうだ。
 
 
蓮は麻衣子達に向け、腹黒い笑みを浮かべてる。
一体、どんな策があるというのだろうか?復讐?
 
 
 
「あっ、あー―――っ!」
「もっ、もしかして!」
 
 
 
突然、麻衣子の横に居る女子が蓮を指差す。
それと同時にそのまた横の女子が両手で口を覆う。
 
 
何のつもりだ?馬鹿にしてるのか?
そのうち、女子達が目をキラキラさせる。
 
 
 
「この男のコ、さっき超目立ってたコじゃん!」
「マジでッ?!騒がれてたの超イケメンのコ?!」
「な、何で明なんかと一緒に居んの!」
 
 
 
どうやら蓮の存在が眩しい様だ。
さっき一通りの多い道で注目浴びてたし。
そんな蓮がカッコいいか?事実カッコいいけど。
 
 
何なんだ、蓮の存在を知った途端騒いで。
今まで散々私を馬鹿にしてたじゃないか。
 
 
 
「め、明なんかに彼氏が居る訳無いでしょ?!」
 
 
 
いきなり大きい声で麻衣子が言う。
一体何のつもりだ、蓮が羨ましいのか?
そうか、散々彼氏の話題で私を虐めたからな。
 
 
多分、悔しいんだろう。
麻衣子の必死な様子に笑えた。
 
 
 
「いえ、現に僕が彼氏なので」
「ちょ、蓮っ!」
 
 
 
女子達が蓮に騒ぐ合間も麻衣子は唖然とする。
私に彼氏といった存在が居た事を心から驚く様に。


ああ、麻衣子は歯を噛み締めている、愉快。
麻衣子の周りの女子達は蓮しか目に無い様だ。
もう既に、奴等は自分の中に籠っている。
 
 
 
こいつ等、何時もは彼氏自慢ばかりして…
本当は彼氏なんか居ないんじゃないんだろうか?
普通、現彼氏に満足してれば他の男に騒ぐ筈無い。
 
一種の二股、だって蓮は有名歌手とかじゃないんだから。
 
 
 
「明には勿体ない!私の彼氏になってェ!」
「ちょ、抜け駆けはズルくね?最低だな」
「そーゆー問題じゃないし!最低なのはソッチ」



キャーキャーと蓮を見て騒ぐ女子達。
麻衣子だけ悔しそうに、孤立している。
そのうち女子達は喧嘩を始めた様だ。
 
 
馬鹿みたい、仲間割れ?とても愉快。
 
 
 
私がニヤニヤしてると麻衣子が蓮の前にやってくる。
そして蓮の綺麗な白い手を握る…麻衣子?
何だ、やっぱりお前も蓮が羨ましかったのか。
 
 
というか蓮の綺麗な手に手汗がつく、汚い、離せ。
と、何気に麻衣子を睨んでみた。
 
 
 
蓮は口元だけ笑い、然り気無く麻衣子の手を払う。
そしてハンカチで自分の手を拭いてる、笑いながら。

蓮…やってくれるじゃないか!
 
 
 
「あの!明は止めてアタシの彼氏になってッ!」
「ええ、良いですよ」
 
 
 
会って4、5分しか経ってない相手に告白。
馬鹿じゃないの、プライドとか無い訳?
まあ虐めで愉しむ奴にプライドなんか無いか。
 
 
あんな奴の彼氏になる事を許可なんて…
本当、蓮は何考えているんだろう。
 
 
 
他の女子達はデブなこの女子に殺気をたててる。
…リーダーとやらへの忠誠もさえも無いみたいだな。

私が苦笑すると蓮は相変わらず黒い笑みを浮かべた。



「ただし、条件が在ります」
「超おっけえ!何でも聞くからっ!」
「゙そごに跪いて澄谷さんに謝りなさい」
「…は……?」


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あきゅろす。
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