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短編
06
SIDE:真理奈

ご飯を食べ終えた昼休み、教室でぼーとしていた真理菜が考えていることは透季のことだった。

(またメールきてるのかな…)

なにを気に入ったのか知らないが、あれからちょくちょく透季から連絡がきていた。
先日は電話していい?と訊かれたので全力で断った。

(電話とかそんな…恋人みたいじゃん…。そんなことないのに…。ただの向こうの気まぐれなのに…)

透季からそうと言われたわけじゃないが、そうに決まっている。
なにしろ、あの顔にあのスタイルだ。しかも大学生だと言っていた。頭も良いのだろうか。

自分と全然釣り合わない、雲の上の人…。

どうして透季のことばかり考えてしまうのだろう。

「真ー理菜?悩み事か?」

席で窓の外を見ていたら声をかけられた。
幼馴染みの信彦だ。

「いや…悩み…じゃないけど、考え事、というか」
「真理菜が考え事なんて珍しいじゃん。お母さんに怒られた?成績のこととか?」
「……違うよ」

たしかにテストの点数は悪いが、そうじゃない。

「今週末また地域作りの集まりあるけど、真理菜も行くだろ?」
「…う…ん、」

どうしても返事が躊躇いがちになってしまう。
頭にあるのは透季のことばかりだ。

(あいつも来るのかな。来るよね…きっと)

体が熱くなる。うれしいなんて思ってしまって、自分はどうしたのだろう。

「じゃあまた待ち合わせして行こうぜ。約束な」
「うん」

もしも透季からメールがきたら、今週末の予定を訊いてみようか。
思い立つと少し楽しくなった。

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あきゅろす。
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