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マイ☆レジスタンス
07
「俺等に協力する見返りに、好みの女を差し出すってのはどうだ?」
「好みの女?」
「男でもいいぜ」

素敵な一夜をプレゼントする、ということか。

(なかなか魅力的な条件だな…)

従者としてのプライドはあるが、それよりも快楽に弱い。好きなことは自由にしたい。
たった一度の人生だ。それならばやったもん勝ちだろう?

「避妊の面倒がないから男で。かっわいい子頼むよ」

そう言って片目をつむると、成宮が吠えた。

「男にいかがわしいことするなんて最低!野蛮動物!」
「何なら、きみにやってあげようか?可愛い系じゃないけど、けっこう俺の好みだよ」
「なっ…なっ…誰が」

真っ赤になって口を何度も開閉させる様は、十分に楽しめた。
うるさい仔犬が黙ってくれて、ようやくタクトの胸がすく。

加巳が苦笑し、腰に手を当てた。

「茜をからかうなよ。免疫ねえんだから」
「きみはあるの?男でも?」
「それはノーコメントだな」

つまりは、あるわけか。

(…面白い)

慰めるように加巳は成宮の髪を梳いた。

「金払ってプロ呼ぶから、あんま怒んなよ」
「お金って…プロって…」

納得できないように呟き、成宮は口ごもる。

タクトはふざけた仕種で顔をあおいだ。

「さっきからイチャイチャするの止めてくれますー?見てられないよお」
「違えよ、馬鹿」

交渉が成立したからなのか、加巳はタクトにも柔らかい表情を向けた。

胸の奥で温かいものが溜まる。
仲間だと、言われている気がした。

「計画を詰めたら、連絡する。よろしく頼むぜ」
「…どうも」

タクトは握手を求められ、仕方なく加巳の掌を叩いてやる。
瞳を見返せなくて、そっぽを向くのが精一杯だった。

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