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三毛と嫉妬 1
 悪魔のミケが我が家に居着いて、既に3ヶ月。

 案外快適に過ごしている。

 諦めていた高校に通うにあたって一番心配していた勉強の遅れは、ミケが家庭教師をしてくれたおかげですぐに追いつくことができた。

 悪魔はいついかなる時にでも契約できるように、地球上の全ての言語を操る能力があるらしく、英語はペラペラだ。

 しかも、何故かミケは理系にも強かった。

「いわゆる“魔法”を使う時に必要なもので」

 ミケはペコペコ頭を下げながら照れた。

 頭はいいのに仕事の能率だけが悪いなんて、ほんと悪魔っぽくないヤツだ。

 しかも、最近では和食にハマっているようでプロ顔負けの料理を作る。栄養バランスもばっちりだ。八百屋の中山さんから色々とレシピを教わっているそうだ。

 魔法でパパッと作っているのかと思いきや、食材の鮮度を保ったり、果物の糖度を増したり……と地味なところに魔法を使っているらしい。

 ミケがジップロックでおかずを小分け冷凍している姿を見た時は、ちょっと目を疑った。

 ゴミの分別も完璧にこなすし、母の代理で町内会の会合に出席することもあるらしい。もはや本当に悪魔なのかどうか疑わしい。

 一見チャラくて歯はギザギザだが、真面目でハンサムで人当たりも良いので、ミケは気がつけばご近所の奥様たちの間でちょっとしたアイドルだ。

 そして……。

 今や俺とミケはご町内で有名なカップルとなっている……。

 母親はミケをよく出来た嫁だと自慢しているようで、ミケも奥様たちの前で平然と惚気まくっているらしい。

 最初のうちはそれが耳に入ってくる度に激昂していたが、最近は諦めて放置している。天然の二人相手に本気で怒ってると疲れる。

 ミケは男だし。てゆーか人間じゃないし。

 だけど、ぶっちゃけた話、やることはやってるわけだし。

 契約とはいえ恋人なのは嘘じゃない。

 悲しそうな顔のミケを見ると、つい許しちゃうのが俺の悪い癖だ。

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あきゅろす。
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