闇夜の国 6
――でも、それ、そこらにほうりだされた古いぬけがらとおんなじなんだ。
かなしかないよ、古いぬけがらなんて……。
ね、とてもいいことなんだよ。ぼくも星をながめるんだ。
星がみんな、井戸になって、さびついた車がついてるんだ。
そして、ぼくにいくらでも水をのましてくれるんだ。
ほんとにおもしろいだろうなあ!
きみは、五億も鈴をもつだろうし、ぼくは、五億も泉をもつことになるからねえ……。
――だからね、かまわず、ぼくをひとりでいかせてね。
[*prev][next#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!