・ハロウィン編2
「ところで小山内君。この短パン、ドラマ版よりかなり短いようだが」
「原作準拠だね」
何故俺だけ。コンタクトを着用して渋々着替えると、なっちゃんが驚いた顔をした。
「……なんか可愛い。女の子が男装してるみたい!」
そんなことを言いながら、黄色いシャツの襟元に大きめのリボンを結んだ。
「ちょっと唇荒れてるよぉ〜? ダメだよ、ちゃんとケアしないと」
そして、俺の前髪をピンで上げながら、ほんのり色づくリップクリームを塗られた。
スカジャン着用で随分遅れて現れた飛鳥は、到着早々軽くパニックに陥っていた。
「……ウッ、太田! 足、足! 出過ぎ!!」
うむ。薄々気が付いていたが、この短パン、スカートより露出が多い。
「飛鳥君、遅いよ……。もう、この格好でいいか」
そう言うなり、小山内は飛鳥のシャツのボタンを4つほど外し、飛鳥のヘアバンドに狼耳パーツをチョンチョンとつけた。
「わーっ、何すんだ小山内」
「ぶっ、はははっ、飛鳥君……かわいい……」
俺が笑うと、飛鳥は困りながらも狼耳を外そうとする手を下ろした。
大人しくなった飛鳥の顔になっちゃんがシャドウを入れて、ちょっと濃いめのセクシー狼男になった。胸毛でもあれば完璧だったのにな。残念。
「小山田、巻きヒゲないの?」
モーニングコートを着た皆慈が小山内に声をかけた。
「前も思ったけど、芹沢君は案外コスプレ好きだよね。ってか、僕は小山内だからね」
「王子、何か飲み物でも飲むか?」
「アボカドと海老のサンドイッチ作ってきたけど、食う?」
「フンガー、肩お揉みしますー」
俺はお供三人(セクシーVer.)から至れり尽くせりの待遇を受けた。
周囲の腐女子や、小山内がキャッキャッと騒いでいた。……もしかすると、今回ばかりはプリンセスの方が幾分マシだったのかもしれない。くうっ。
***
狼男な飛鳥君が見たくて!
芹沢君は吸血鬼かなー。じゃあ、瀬名は? ……フランケン?
って思ったあたりで、おかしなスイッチが入ってしまいました。藤子先生ごめんなさい。
(2011.10.27拍手)
[*prev][next#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!