『同趣味』SS・ハロウィン編1
『同じ趣味、違うアイツ』を最後まで応援していただきまして、本当にありがとうございました。
本編はクリスマスエンドだというのに、遡ってハロウィンネタをやろうとする私。余韻もへったくれもない!
***
小山内から「ハロウィンパーティーやらない?」と誘われた。
どうせ、また俺がスカートなんだろう……。そう思っていたのに。
「今回は別にスカートじゃなくていいよ」
と、意外なことを言うから行ってみる気になった。
指定の会場に行ってみると、異様な人混み。皆慈は既に尻込みしている。
どうやら、本格的なハロウィンコスプレ大会のようだ。
「あ、太田君! こっちこっち!」
呼ばれた方を見ると、小山内がいた。その横では、瀬名が従姉弟のなっちゃん(悪魔っ娘に変身済み)にメイクを施されているところだった。
「お久しぶり〜!」
にこやかに会釈するなっちゃんの横で、小山内がいそいそと衣装を取り出した。
「はいはい、芹沢君はドラキュラね。コレ着て! 更衣室はあっちね」
「いきなりだな。またスーツか……」
「瀬名はフランケンやるから」
顔に路線地図を書かれた瀬名が、「フンガー」と叫んで笑った。む、まさか。
「飛鳥君は狼男だよ。まだ来てないけど。料理好きだからね」
やはり……。
「小山内君。お供が格好良すぎるのだが」
「いいじゃん、セクシー系で!」
顔に傷メイクをしている瀬名も、ダメージの入ったジーンズにボーダーシャツを着ているだけ。瀬名は黙ってさえいれば愛嬌のある顔立ちだ。口を開くと残念だが。
「太田君は、プリンスね!」
小山内から更衣室で、赤と青の帽子、黄色いシャツに緑の短パンを渡された。
…………これはこれで、悲しいほどに恥ずかしい。
小山内は白いワンピースに水玉タイツを履いて、金髪のウィッグを被った。どうやら彼がプリンセスをやるようだ。スカートから伸びた足の筋肉が逞しかった。
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