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『同趣味』SS・嫉妬編1
 今回は、『同じ趣味、違うアイツ』9章、学祭前の一幕。何度かリクエストをいただいていた「嫉妬ネタ」にチャレンジです!

***

「瀬名。小山田にはもう見せたんだけど、これちょっとチェックしてもらえるか」

「あ、了解です」

 昨日できたばかりの曲に、芹沢サンは一晩で絵コンテを描き上げてきた。はやっ!

 芹沢サンとイヤホンを1つずつ填めて、プレイヤーに入れておいた曲を二人で聞きながら絵コンテを追う。小山内先輩の作るPVとはまた違った味わいです。

「ここで切り変わる時に効果音欲しいな」

「なるほど。うち帰ったらちょうどいい音探してみますね」

「おー、頼むわ。……そういや瀬名、曲ってどうやって作ってんの?」

「キーボードで適当にメロディ考えて、後からちょいちょいと微調整ですかねー。あ、地味な作業ですけど、興味あるならうちに見に来ます?」

 そう言って横にいる芹沢サンを見ると、少し驚いた後、目を輝かせて笑った。

 うおっ、イケメンが笑うと眩しいな! いつも機嫌悪そうだから、余計そう思う。まあ、人見知りが激しいだけって最近はわかってきたけどね。

 芹沢サン、ちょっとは俺に心を許してくれてるのかなー。

 あ、胸がキュンと鳴った。

 それにしても、太田先輩は毎日毎日こんな破壊力がある笑顔を真正面から受け止めて平然としてるのか。すげーなー。

 エロかわいい&絶対領域に命を捧げる俺ですら、この芹沢サンに口説かれたら無意識に「コクリ」と頷いてしまいそうだ!

 そんなことを思いながら、太田先輩の表情を伺うと……


 むしろこちらの方がご機嫌斜めでした。何故!

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