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『同趣味』SS・学祭編1
 今回は、『同じ趣味、違うアイツ』九章で出てきた後輩、瀬名君視点でのSSです。

***

 あ、どうも。瀬名です。

 この春に八坂工業高校の情報処理科に入学した一年です。

 いっこ上には、中学ン時にサッカー部でお世話になった小山内先輩がいます。

 去年の9月頃、小山内先輩からいきなり電話が来て、「ゲームで使う音楽、提供して」とお願いされました。

 ……あ、俺、打ち込みで曲作るのが趣味で、某映像サイトでちょこちょこ発表してたりします。その曲によく先輩が映像つけてくれるんで、今でもオタ仲間として仲良くさせてもらってます。

 音楽はネット経由で送ってたんで、先輩がどんなゲームを作ってるとかまでは知らなかったんですけど、「ひとまず完成したよー」と連絡が来て、去年の学校祭にお呼ばれしました。

 ハチコーといえばヤンキー校として有名なんで正直ビビってたんですけど、校門まで迎えに来てくれた小山内先輩はロングヘアのカツラにタイトなミニスカートのスーツ、片手に水鉄砲という出で立ちで、俺は口がカパーンと開きました。

「な、なんですか先輩そのかっこ……」

「似合う? クラスの子たちに、ゲームキャラのコスプレしたらどうかって言われてさ。ミニスカポリス役だよ!」

「す、すね毛ないですよ、先輩!」

「ふっふっふ、脱毛クリームっていうのを初めて使ってみました。色っぽい?」

 セクシーポーズを取る先輩。でも、スカートからニョキッとのびる先輩の脚は、サッカーで散々走り込んだせいで子持ちシシャモのように逞しい。

「どっからどう見ても男です」

「ちぇっ。僕は添え物だからいいの。メインは教室で引きこもってるから」


 ゲームのプログラムを担当したという「メイン」の先輩は、やっぱりゲームのキャラクターのコスプレを(多分ムリヤリ)させられて、「死にたい……」と呟いていました。

 華奢な肉体を包むのは、フリルとレースとリボンとが大量にあしらわれた黒いミニ丈のドレス。

 ショートカットの頭上にちょこんと乗せられているのは、赤いバラが添えられた小さな小さなシルクハット。

 ピンク色の大きなウサギのぬいぐるみも抱きかかえていました。

 いわゆる『ゴスロリ』です!

 だけど、メイクはウサギに合わせてピンクベースで案外清楚系。そのアンバランスな感じもいい!

 何よりも、フリフリのミニスカートと黒いニーソとの間の絶対領域が眩しい……!

 鼻の下を伸ばして魅入っていると、俺の視線に気が付いたゴスロリちゃんが、口を尖らせてツンッとそっぽを向きました!

「せせせ、先輩、これは噂の3DSで飛び出た二次元映像ですか!!」

「落ち着けよ、瀬名。これは男の娘だから」

 な、なんだってぇー?!

「ってことはやっぱり二次元ですね?!」

 大興奮していると、ゴスロリちゃんがぬいぐるみでポコスカ殴りかかってきました。かわえーなー。

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あきゅろす。
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