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同じ夢 14
「や、待って……あうっ……」

「おら、こっちがおろそかになってんぞ。俺の手のあるとこに意識集中しろ」

「うん……にゃっ、も、駄目」

「ア? お前がして欲しいって言ったんだろが」

「そ、だけどっ、いきなりこんなっ、激しっ……」

 芹沢の重さに耐えきれずに俺はペチャンと潰れた。

「ふにゃっ」

「……お前さー、さっきから鳴き声がニャンニャン、うっせーんだよ」

「なっ! 鳴いてなどいない!」

 全力で否定すると、芹沢は俺を押さえつけながら脇腹をこちょこちょ擽った。

「はにゃっ、何、やめっ、にゃあん!」

「……ほらな」

「ほらな、じゃない!!」

 芹沢の下から抜け出た俺は思わずヤツの頭をベシッと叩いたが、それでもヤツは楽しそうだった。

 ――書斎のドアのところから、いつの間にか帰宅していた俺の姉貴が覗いているのを見つけるまでは。

 姉貴は「グッジョ!」と親指を立て、満面に笑みを湛えていた。

「タカちゃん、なかなかいい喘ぎ声だったわっ」

「喘いでなどいない……」

「芹沢君、タカちゃんは初心者だから優しくしてあげてねっ」

「……」

 何故か正座でうなだれる俺たちだった。

 駄目だ……。母はスルーできても、姉貴は駄目だ……。



 ――翌日。

 日本史の授業の後、芹沢は唐草先生に、血と汗と涙の滲む18枚のプリント(言い過ぎ)を突きつけた。

 いつもしかめっ面の唐草先生が、珍しく微笑んだのを俺は見たのだった。

 いい先生だな、と俺は思った。



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