同じ道、同じ言葉 33
「太田君、もうすぐ3年だよな。進路とかもう決めてるのかい?」
お酒が入って少し酔ってきた叔父さんがそう尋ねてきた。何度も酒を勧められたが、その度に断ってジュースを注いでいる。
「ハチコー卒業したら、専門学校に行こうかと思っています」
「え、初めて聞いた」
皆慈が驚いたように言う。
「……まぁ、俺も今初めて言ったな」
「何だよ、水くさいな……」
俺の返答に皆慈が拗ねたので、ジュースをちびちび飲みながら頭を撫でてやった。
「1年で色々とIT関連の資格を取るつもりだ。それから、キミと一緒に就職活動できればいいと思っている」
「エッ? 俺?」
「だって、学祭で作ったゲームは、キミのものでもあるらろう?」
「そ、そうだけど……」
「太田君、二人同時に取ってくれる会社なんか今時なかなか無いんじゃないか?」
「それならそれれ、しばらく働いてお金貯まったら、小さいゲーム会社れも立ち上げようかと。俺はキミと一緒がいいのら」
「……清」
「ふにゃ?」
「いつの間に酒飲んだ」
「のんれない……」
おろろ、舌が回らない。
……犯人は一人しか思いつかない。
「あ、バレた?」
あーねーきー!!
「大丈夫、大丈夫。潰れるほどは入れてないから。面白いのよー。ジンベースだといきなり奇っ怪な行動して寝落ちするんだけど、日本酒ちょっと混ぜるとフニャフニャ言い始めるの」
「どんだけ人体実験してんだよ……」
皆慈が呆れ顔でため息をついている。
「だって可愛いんだもの。お酒は一時間もしたら抜けるわよ」
くそ……まさか皆慈の叔父さんがいる前でもやるとは……。油断した……。
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