同じ道、同じ言葉 21
大盛況のうちに後夜祭の始まる時間となり、後夜祭は在校生しか参加できないため、飛鳥や西山たちは渋々帰っていった。
グラウンドではキャンプファイヤーが灯され、軽音部や招待された卒業生たちのバンドが特設ステージで演奏をしている。
「とうとう学祭も終わりだねぇ。ゲームの評判良くて嬉しかったね!」
小山内の言葉に俺も頷く。
球技大会は先月終わった。そして、学校祭も。
1年前、皆慈と約束したイベントをようやく実現することができた。
「……学祭の後は何かイベントあったかな」
「とりあえず、テストだね」
小山内の言葉に、皆慈が「うげぇ」と呻いた。
「はっはっは、またちゃんと教えてやるから安心したまえ」
「清はスパルタすぎんだよ……」
「その後はクリスマスにお正月だね」
「そうだな。……皆慈、クリスマスは何かやってみたいことあるか?」
「何かって言われてもな。クリスマスって木を飾ってるのはよく見るけどよ。そもそも何するイベントなんだ」
「うわ、芹沢サン、そこからスタートですか……イッ?」
小山内が瀬名の足をビシッと蹴った。
皆慈は普通の子供が普通に経験してきたことを、ほとんど知らない。
「足りない分はこれから埋めていけばいい。この先の予定は、俺たちがびっしり埋め尽くしてやる。逃げ出す余裕もないくらいにな」
俺がそう言うと、皆慈は「……もう逃げねぇよ」と小さく呟いた。少し顔が赤く見えたが、それは燃え盛る炎のせいかもしれない。
「それにしても、後夜祭といえばキャンプファイヤー囲んでフォークダンスと思ってました俺〜」
瀬名がそんなことを言う。
「9割以上が男子の学校でダンスとか不毛だと思うが……」
俺がそう言うと、瀬名も「そりゃそうですね」と言った。
「あっ、でも太田先輩。せっかく今なら違和感ないことですし、一緒に踊りませんか! 記念にひとつ!」
瀬名がデレデレしながら、俺の手を取った。
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