同じ道、同じ言葉 11
「……俺、また何かやらかしただろうか?」
後を追おうとする俺を、瀬名が「男には一人になりたい時もあるのです」と止めた。
「何かっていうかさ、エロいサービスにしか見えないよ、そのメイド服だと」
小山内の言葉に瀬名がコクリと同意する。
「オータ。飛鳥はショートでスレンダーな子が好みだから、あんまその格好で近づくな。クオリティ高すぎてあぶねーぞー」
久野に肩を揉まれてる西山の言葉に、俺は「ふむ」と考え込む。
「確かに、飛鳥君は前からオカマ嫌いだからな。悪いことをした」
「おおっと、西山サンの直球ど真ん中を空振りしましたよあの人」
「ま、太田君が納得してるならいいんじゃない」
小山内たちが何かごちゃごちゃ言っていたが、皆慈が俺の前にゴロンと転がった。
「清、俺も揉んで」
「……もはや罰ゲームなど関係ないな」
ぶちぶち文句言いながらも揉んでやった。
日が暮れると、旅館の売店で売ってた花火をしこたま買い込んで遊んだ。
改めて瀬名の従姉妹も花火に呼んだら俺のとは色違いのメイド服を着ていて、西山のテンションが上がりまくっていた。
俺は一緒に鏡面ポーズを取らされて写真に収められてしまったが……。
みんな両手に花火を持ってブンブン振り回したり、やたらしょぼかった打ち上げ花火などで大はしゃぎだった。
「オータ、楽しんでるか?」
「……楽しいなぁ」
久野に問われて、俺はしみじみとそう思った。
「芹沢はずっと線香花火やってるな……」
西山の声に目をやると、縁石に腰をかけた皆慈が線香花火の細やかな火花をジーッと眺めていた。
「どうした?」
俺はその横にしゃがみこむが、チラリと横目でこちらを見た皆慈に「パンツ見えてっぞ」と言われて慌てて立ち上がった。見んな。
「……花火、面白れーな」
皆慈がぼそりと呟いた。
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