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同じ道、同じ言葉 10
 衝撃的な内容の俺限定罰ゲームの次は、西山の番だった。

「俺からの命令は……そうだな。今夜の花火、お前らが買って来い!」

「はいはい。おやすい御用で。今ならジュースもつけますよ」

 久野が苦笑しながら了承する。

「えー、せっかく泊まりだし、酒……」

「おいこら、そこの未成年」

「あ、はい……すみません……」

 メイド姿の俺から発せられた低い声に、西山は渋々諦めた。

「飛鳥の命令はどうすんの」

「みんなで肩でも揉んでもらおうぜ」

「おっ、いいね! キューちゃん揉んでー」

「はいはい」

「小山内先輩、すみません。よろしくお願いします」

「そんなにかしこまらなくていいよ。サッカー部で散々やってるし」

 和気あいあいとしている罰ゲーム風景の中で、皆慈は指をバキキッと鳴らして、飛鳥の肩を鷲づかみにした。

「いってぇえええっ!」

「よえー」

「うるせぇ! マジで痛いっつの。加減しろ、この馬鹿たれ!」

「剣道やると握力つくらしいからねー」

 小山内のフォロー(?)に、飛鳥が情けない顔をした。

「命令ミスった……」

「皆慈、俺が代わろう」

「え?! ちょっ、待って……」

 俺は飛鳥の背後に回り、膝立ちで肩を揉みほぐし始めた。

「どう? 気持ちいい?」

「…………」

 横では、俯せに寝かせた瀬名を小山内が本格的にマッサージし始めていた。

 それに習って俺も背中や腰を揉んでみると、飛鳥は身体を跳ねさせて「ぬわあっ」と喚き、

「何かもう色々と限界……」

 と呟いて、部屋から飛び出して行った。

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