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「よろしければお友達もご一緒にど〜お? ハンバーグを作ったのぉ」

「エッ」

「もちろん、おうちの人にお電話してね」

 母の提案にとまどう芹沢。

「いや、どーせ家には誰もいないんスけど……」

「あらっ、そうなの。じゃあ遠慮なく食べてって!」

 芹沢が困ったように俺を見た。

「既にキミの分も用意されていると思われるので遠慮することはない。肉が嫌いでなければ、だが」

 俺の言葉にしばし考え込んだ芹沢がようやく首を縦に振ったのを見て、母はにっこりと笑い「早く来てねぇ〜」と言いながら階段を降りていった。

「や、やべェ。俺、よその家で飯食うの初めてだわ……。キンチョーしてきた」

「言っておくが、俺はあるぞ。キミに友達いないと馬鹿にされたのかと思うと、俺は少しばかり不本意なのだが」

「ギャハハ、ほんとだ。俺、友達いねェ! 考えてみたら、家に呼んだのも全部オンナだったし」

「リア充め……」

 俺は舌打ちしながらハンガーを芹沢に渡す。

「制服にソースはねたら嫌だろう。かけておくなら使うがいい」

「だな。サンキュ」

 頷いて上着を脱いだ芹沢は、Tシャツの上からでもわかるくらい筋肉質な身体をしていた。腕の筋肉など、俺の倍以上ありそうだ。

「ギャハハ! お前の腕ほっそ!」

「リアルファイトなら秒殺されると言ったはずだ」

「間違いない!」

 芹沢はゲラゲラ笑いながら俺の二の腕をプニプニ触った。

 さわり心地の良さなら負けないだろう。

 ……何の自慢にもならんが。

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