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同じ趣味 9
 黙々と本を読む二人。

 そのうち母がノックをして、「お茶持ってきたわよ?」と声をかけてくるまで、一切会話はなかった。

 とりあえず本を置き、芹沢を俺の部屋に招く。


「すげぇ」

 芹沢が目を輝かせた。

 棚には父が買ってきた特撮のフィギュアやロボットのプラモデルが並び、テレビの近辺には最新型のゲーム機がズラリ。

 実は、半分は父の趣味だった。


「なぁ、先月出たアレあるか? 格ゲーの……」

「今ささってるのがそうだな」

「マジかー! ちょっと遊ばせてくれ」

「ああ」


 俺が本体の電源を入れると、芹沢は母が持ってきたシュークリームをポンと口に放り込んだ。

 芹沢にウェットティッシュを差し出し、大人しく指をぬぐったのを見届けて、 格ゲー用のコントローラーを渡す。

「これ、ゲーセンのと同じ形じゃん!」

「父がハマって買ってきた。母にしばらくネチネチ言われていたが」

「羨ましい……。金持ちめ」

「訂正しておくが、我が家は金持ちではない。他のことに興味が薄いだけだ。父の乗ってる車とかボロ過ぎて凄いぞ。この間、右カーブ曲がったら助手席の扉が自動的に開いたからな」

「ギャハハハッ、危ねぇ!」

 芹沢は腹を抱えて笑った。

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あきゅろす。
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