同じ過ち 15
結局、警察から事情聴取を受けた西山も久野も飛鳥に関しては何も言わなかったため、おとがめ無しだったらしい。
「オータが庇ってたしなー」
「殴られんのは慣れてるしなー」
「それは慣れたくねーなー」
などと、西野コンビは言ってたそうな。
俺の意識が戻ったと知って会いに来た飛鳥は、謝罪の意味を込めて黒く染め直したらしい頭を床にこすりつけるようにして、病室の床に土下座した。
ちょいちょい、と指で飛鳥を呼ぶ。
おずおずと近づいてきた飛鳥の髪の毛を撫でる。
「なんだか小学校の時を思い出すな。前の色もライオンみたいで似合っていたが」
ボンッと音でもしそうなくらい、飛鳥の顔が一気に真っ赤になった。
「こ、子供の頃の話はやめろ!」
「何で?」
「お、お前だって、赤いランドセル背負ってたのバラすぞ?!」
「別にいいけど……」
「いいのかよっっ」
飛鳥はベッドに顔をうずめた。
ふと人の気配を感じて扉の方を見ると、姉貴と小山内が顔を半分だけ覗かせて、「デレた!」「デレましたね!」と言っていた。
飛鳥……
次の標的はお前のようだぞ。可哀想に。
芹沢の話を聞きつけた飛鳥は、その穴を埋めるように宅配とレストランのバイトに入ったらしい。
「逮捕されなかった分、それ相応の償いはする」
と、言っていた。
昔から、飛鳥は案外義理堅いヤツなのだった。
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