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同じ過ち 13
 男たちが逃げていく気配を感じた芹沢はヘルメットを脱いで、防犯スプレーのかかった顔をぬぐっていたが、まだ目が開かないようだ。

 顔をさすりながら、久野が俺の元へ歩いてくる。

「久野君、大丈夫か?」

「俺は大丈夫だから、芹沢ンとこ行ってやれよ。俺は西山見てくるわ。なんか床で伸びてるし」

「ああ」

 警察のサイレンが聞こえる。次々と倉庫から飛び出していくバイク。

 もう俺のことを気にかけるヤツはいないように思えた。

 後ろ手にはめられたままの手錠をどうしよう、と考えながらも芹沢の側へと近づいた。

 ふと倉庫の奥に目をやると、最後まで倉庫に残っていた林が車の運転手を助手席に押しのけて運転席に乗り込んでいた。

 ――まさか。

 林の表情が尋常じゃない。

 嫌な予感が頭の中をよぎる。

 車が急発進した。

 一直線、芹沢の方へ。

「ッ、芹沢君っ、立て!!」

 俺のせっぱ詰まった声色に芹沢はハッと気がつき、よろよろと立ち上がる。

 間に合わない。

 俺は芹沢に思いっきり体当たりをした。



 視界があり得ない角度で回転した。


 全く。

 俺が撥ねられたら、意味がないな。

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あきゅろす。
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