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同じ過ち 12
 芹沢がひるんだ途端に、男たちが群がった。

 目が開かないながらも鉄パイプを振り回して何人か倒したようだったが、とうとう背後から突き飛ばされて、芹沢は床に押さえ込まれた。

 何本もの鉄パイプが床に向かって振り下ろされるのが見えた。

 俺は一瞬にして血の気が引いた。

 芹沢が拘束されたのを見届けた林は、すごい形相でこちらに向かってきた。

「飛鳥、この役立たずが!」

 久野が俺を掴んで立たせて逃がそうとするが、その途中で久野は殴られて吹き飛んだ。

「男なら容赦はしねぇ」

「ぐっ……」

 林は俺の顔をバシッと叩き、そのままアゴを鷲づかみにして引きずった。

 しかし、いきなり林の姿勢がガクン、と崩れる。

「……てめぇ……」

 床に転がったままの飛鳥が、林の膝の後ろに蹴りをかましたようだった。

「俺のオモチャを勝手に壊すんじゃねーよ」

「役に立たないどころか裏切るとはいい度胸じゃねぇか!」

 林は飛鳥の腹を力の限り踏みつけ、飛鳥がくぐもった声で呻いた。

 俺はアゴを掴んでいる林の手を思いっきり囓った。

「いっ……テェー!!!」

 まさにこれぞ窮鼠猫を噛む。たまらず林が俺を放り投げた。

 そこに、伝令の叫び声が聞こえた。

「は、林サン!! こっちに、け、警察が向かってるって!!」

「何だと?!」

 林の顔色が変わった。

「――早川が気づいてたんだとよ」

 飛鳥が林にそう言った。

 怒りで林はブルブルと震え、「畜生!!」と叫んだ。

「てめぇら、解散だ! 捕まんじゃねーぞ!!」

 芹沢を押さえつけていたヤツらも顔を見合わせ、次の瞬間は蜘蛛の子を散らすようにバイクに跨った。

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