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同じ過ち 7
 携帯からは、微かに芹沢の怒声がもれ聞こえた。

 それを無視した飛鳥は、淡々と倉庫の住所を述べる。そして、一人で来ること、それを守らなければ俺を痛めつけると脅した。

 飛鳥が携帯を閉じると、男たちの間から俄に歓声が上がった。

 これから起こるであろうことに興奮しているのだろう。

 彼らの全てが、バットや鉄パイプ、メリケンサックなどの武器を手にしていた。

 俺は、西山たちと共に倉庫の奥に放り投げられた。

「だ、大丈夫か?」

 そっと顔を寄せて話しかけた。西山も久野もアザだらけで、鼻血にまみれている。

 西山が薄目を開けた。

「……んぁ。あんた、芹沢のツレの……ええと」

「太田尊志です」

「あんたも捕まってたのか」

「ああ。買い物の途中で母と別れた瞬間に……」

「はは……計画的だねぇ」

 横で聞いていた久野がため息をついた。

「芹沢、来ると思うか」

 そう尋ねられて。

「俺としては来ないで欲しいが……間違いなく来るだろうな」

「おっと、すごい自信」

「西山君だってあの日、例え芹沢君に会えなくとも一人で久野君を助けに向かっていただろう」

「……だな」

 もし芹沢がここに駆けつけたとしても、この状況を切り抜ける良い方法が思いつかず、三人で肩を落とした。

 芹沢が来るまでの間に、扉から車二台と、男たちの乗ってきたバイクが次々と倉庫内に運び込まれる。

 芹沢が駆けつけたところにライトで目をくらませて、力をそぐつもりらしい。

「アイツ一人に一体何人がかりだ……」

 俺がそう呟くと、飛鳥が俺を見てニヤリと笑った。

「オカマちゃんはそこで、彼氏がリンチされんのを大人しく見てな」

「彼氏ではない。大切な友達だ!」

 飛鳥の眉がぴくりと跳ねたかと思うと、飛鳥は俺を蹴飛ばして踏みつけにした。

「俺を否定するな。お前にそんな権限はねぇんだよ」

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