戦国無双頂き物
宵い時。2
…どうしてもっと気のきいたこととか、うまい返し方ができなかったんだろう…。
…今更後悔しても遅いけど…。
…あんな素敵な人に、あんな素敵な声で、あんな素敵なことを言われるなんて…
…人生で、最初で最後かもしれない…。
…なんだか…遊び慣れてそうだし…。
…なんて思っていたら…
…その人は次の日も来た。
…その次の日も、さらにその次の日も…。
うちの宿泊客でもなんでもないのに…よっぽどの暇人なのだろうか…。
−孫市、とその人は名乗った。
−旦那様が言うには、このあたりを治めている豪族・鈴木家の若頭だそうで…
…なんでそんな身分の高い人がこんな旅籠に足を運ぶのか…正直よくわからなかった。
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