戦国拍手ログ 2006年バレンタイン 「貴方にとって恋や愛はどんな色をしているの?」 好奇心丸出しと言った表情で聞かれれば。 まぁ、一般的には赤じゃないか、と無難に答えてみたりする。 それなら名無しさんの中ではどんな色をしているのか、逆に問うてみれば。 「青、かな」 と笑ってそう言われた。 青はどちらかと言えば冷めた印象が付き纏う。 なのに、何故?再びそう聞けば。 「青は静かに、燃える色。いつも変わらぬ想いの色。赤い炎より熱くて、一歩間違えれば全てを灰にしてしまうけど、その分貴方を護る力も強くなるでしょう?変わらずに愛する者を護ることの出来る、とても強い色だと思うわ」 そうさらりと言って、穏やかに微笑んだ。 ――あぁ、適わないと思うのは。 彼女の心がしなやかで、誰よりも強いからで。 そんな心の持ち主だから、自分は逃れられないのだろうと思った。 彼女がもたらす束縛は、己の背に自由の翼を授け、なんの憂いもなく空へと飛び立たせてくれる。 ――名無しさんがもたらす温もりは、この世で唯一の安らぎとなる。 それだけ愛してくれてるんだな、と抱き寄せれば。 彼女の頬に紅がさす。甘い菓子より、甘い色。恋の寒露の、甘い色。 [*前へ][次へ#] |