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戦国拍手ログ
2007年節分

もぐもぐ。

無言で壁に向ってひたすら手にした太巻きを食べている名無しさんに、三成は声をかける。

「膳はこっちだぞ」

相手は無言でちらりともこちらを見ない。

「いつも人の話を聞かないのはよくないと文句を言うくせに、お前は俺の話を聞けないのか?」

むっ、とした横顔に、三成は内心可笑しくて仕方ないのだが、気付かぬ振りで続ける。

「そうか。俺の話など聞きたくもないか。では今後一切、名無しさんとは口を利かないことにしよう」

すると、ぴたり、と口の動きが止まった。恐る恐るというように、こちらに顔を向けようとした、その時。

「…殿。意地が悪いですねぇ」

横から左近が茶々を入れた。

「別に、俺は思った事を言ったまでだ」

「殿だって知っているでしょうに、今日は節分ですよ」

「だからどうした」

「…殿。好きな女性を苛める辺り、子供と同じですねぇ」

「なっ…俺は別に苛めてなんてない!」

「好きな女性ってのは認めるんですね」

「…っ、もういいっ!」

三成は膳の鰯を箸で乱暴に掴むと、不機嫌な顔で口に放り込む。ぱちぱち、と瞬きしながら二人を見つめる名無しさんに、左近が苦笑して言った。

「最後の一口、こっちを向いてちゃ意味ないでしょう?」

慌てて壁に向き直ると、名無しさんは最後の一口を頬張った。

「…はぁぁ、食べ終わった〜!」

「で、どんな願い事してたんですか?」

左近が聞くと、彼女は答える。

「三成が戦で怪我などしませんように、って!」

「殿、良かったですねぇ。愛されてますよ」

「べ、別に俺は怪我なんかしない」

「おやおや、顔が赤いですよ?」

「うるさいっ!」

耳まで赤くなった三成を見て左近が楽しげに笑った。


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あきゅろす。
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