KYO拍手ログ
2006年9月
穏やかな日差しを顔に受けて、目が覚める。
パタパタと軽やかな気配は、今までの生活にはなかったもの。
温かな飯の炊ける匂いも、風を受けてはためく洗濯物の音も。
全てのモノは、ずっと、一つも身の回りになかったもの。
血の匂いと、叫び声と、哀しい想いが渦巻く世界。
それが全ての中から、奇跡のように出会った、
きっと、ずっと自分が求めていたもの。
「…ったく、朝からうるせぇな…」
パタパタと柔らかな時間をくれる気配は、今までも、これからも。
「…ちょっと、狂ったら!あんた帰ってきたと思ったらいつまで寝てるのよっ!」
「…ククッ」
「何よ?別に笑われるような事してないでしょ…って!な〜に〜すんのっ!!離せエロ魔人〜〜っっっ!!!!」
「抱き枕は黙って抱かれてろ」
「だ、だ、誰が抱き枕だぁぁ!!!!!」
――きっと、ずっと、自分の世界に光をくれる、たった一つの存在。
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