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CITY HUNTER
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今まで色んな女と接してきた。

こう言っちゃなんだが、他の野郎に比べたら、そっち方面での経験は豊富だと思う。これは冗談ではなく、だ。

依頼の報酬で女を抱いた。行きずりで抱いたこともあった。もちろん、金で春を売る女も何人も抱いてきた。

どれもこれも見目麗しい女で、ただ一夜の熱を冷ますだけの、後腐れのない関係だ。

パートナーとして組んだ女もいた。ビジネスとして割り切った関係で、腕も立つし、美人だったのは言うまでもない。

だが。

コイツは今まで接してきた、どの女とも違った。どんな人間とも違った。

顔だけなら、もっと綺麗な女はたくさんいた。身体のラインだって、もっと完璧な女がいた。睦言を愉しむ事も、もっと上手い女はいくらでもいた。

血の繋がらないコイツの兄とは、それでもよく似ていたが、やはりどこかが違っていた。パートナーとしては遥かに彼の方が腕も立つ。無論、今まで組んできたどの女も、超一流と言われるような存在だった。

こうしてみれば、コイツはパートナーとしても女としても、今までで一番、何もないように聞こえるが。

それでも、今までで一番俺にしっくりくる存在だった。

最初は、ガキだと思っていた。実際シュガーボーイという言葉がよく似合う、とてもボーイッシュな少女だった。

それが、どうだ。

今でも見せるガキな顔とは裏腹に、強烈に女を感じさせる表情を、コイツは知らないうちに身につけていた。

ずっと依存されていると思っていたのに、いつの間にか俺の方が依存していたことに気がついた。

弱いと思っていたのに、折れない心は誰よりもしなやかで強かった。

いずれ表の世界に返そうとしていたのに、どうしてもそれができなくなった。

光が。心が。

今まで眠っていた感情が、彼女の存在で目覚めた。動き出した想いは、もうブレーキなんて利かない。

思わないことはない。闇の世界に彼女を引きずり込んで、自分だけぬくぬくと彼女の庇護の下にいるなんてこと、許されるのかと。

別にコイツがいなくたって生きていける、なんて言ってるが、どうせコイツから離れるなんて言い出さないと高を括っているが、そうやって甘えているだけなのは、重々承知だ。

いつか。

いつか消えてしまうのではないかという恐怖。

どんな恐怖も、どんな困難も、それに比べたら小さなモンだ。どんなに辛いことがあっても、それに比べたら、容易いことのように思える。

絶対なんて言葉は軽々しく使っていいものではないが。それでも俺は、この腕の中の存在にこう囁く。

――何があっても絶対に、二人で生き抜こうな。生きるも死ぬも、二人で、な。

…そういえば言い忘れてたが、俺とコイツ…香はな。身体の相性もまさにしっくり。いや、これ以上にないってぐらい、ぴったりなんだぜ?


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