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旧戦国
3

「若、政宗様と幸村様がお見えになりました」

「おぉ、幸村!よくきたなぁ。伴侶のくのいちは元気か?伊達さんとこの坊主も正月から威勢いいねぇ!」

部屋では主の孫市と慶次が酒盛りを始めていた。慶次は住人のように二人を迎え入れる。

「おい、慶次…お前何様のつもりだよ。ま、二人とも一杯やろうぜ」

慶次の態度に苦笑しつつ、孫市も年若い二人に声を掛けた。

「馬鹿め!坊主ではないわ!」

「慶次殿、くのいちは伴侶ではござらん!」

二人は同時に慶次に反論する。

「それより、政宗。アンタ一人できたのか?一国一城の主が正月早々こんなとこにいていいのか?」

孫市がもっともなことを聞いた。

「一人ではないわ!成実と共に来ておる。国許には小十郎に鬼庭もおる、心配ない」

「「「「……」」」」

小十郎に同情の念を覚える孫市、慶次、幸村、そして名無しであった。

「あ、あの。追加のお料理とお酒、お持ちしますね」

「あ、あぁ。頼むぜ、名無し」

気を取り直した名無しは孫市にそう告げると、一旦部屋を出た。

「それより孫市!早く名無しを儂の所に寄越さんか!」

「おいおい、名無しは俺のだぜ?」

「何を言われる!私も名無し殿と一緒になりたい!」

「お〜ま〜え〜ら〜っ!!」

名無しが部屋を出た後も、四人は彼女を巡って騒々しい。

…はっ、恥ずかしいのよね…

廊下にまで響き渡る騒がしい声に名無しは赤面し、家人達は

『やれやれ、また始まったか』

と苦笑を漏らした。


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あきゅろす。
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