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ゴージャスな彼









「俺、この髪イケてると思うんだ」



パリーンと、部屋中にガラスのコップが粉々に砕け散る音が響き渡った。手が未だに震え、はっと私は目を見開く。
目の前で今まさに声を発した本人が自分の髪に手を添え、フワフワとその感触を楽しんでいた。



「どうだ?」

「す、ステキネオーバ」

「だろ?いやー、金かけたかいがあったぜ」

「え?!」



私は思わず眉間にしわを寄せた。か、・・・金をかけただと。
ゴクリと生唾を飲み、私は意を決して彼に問いかけた。



「い、いったい・・・いくら・・・」

「おっ、知りたいか?」

「う、うん」

「これはなー・・」



そう言って彼は五本の指をピンと立てた。そしてその瞬間、私の頭の中にピシャーンッとまるで雷が落ちたかのような衝撃が駆け巡る。
ごっ・・・ごまっ・・!?そんなにかかる物なの?!

ジャングルで一年家無しで過ごせばそんな髪型いくらでも出来るだろうに。
いやもっと簡単に言えば、実験に失敗すれば一瞬でチリチリになれる。悪いけど。




「そんな・・お金もったいな・・・・」

「は、何でだよ」

「いやだって・・・!何千円なら分かるけど万は無いでしょ・・!」

「しかたねーだろ」

「なんで!」





そう言って彼は未だに自分の髪に触れ、照れ顔でニヤニヤしながら(凄く気持ち悪かった)言った。





「好きなんだからよ」





そこは最後に「お前が」っとか付けて欲しかった。仮にも彼女なのに。
だがきっと今の彼には、「この髪が」が付くのは明白だったのだ。










******









「と、」

「・・・・・・・」




ふぅ、と息を付けば 目の前に居る彼は完璧に固まっていた。
だが私は思い出し笑いしながら、プププと声を漏らす。




「きっもち悪い夢見たわー、あー腹痛い」

「・・・・え、なに俺ってなんなの、ってか俺の髪どうした、え?」

「だから、アンタの髪がゴージャスっていう夢」

「あのさ、俺一様コレ自分でセットしてるから金かかってねーし」

「そうなの!?」

「そうだよ!!」




やっと正気を取り戻した彼が机をバンッと叩き、私にぐいっと顔を近づけた。
「それによく見ろ」と言って彼は髪を私に向ける。



「ジャングルや実験でこんな綺麗な形にはなんねーよっ」

「・・・・え、これ綺麗な「どっからどう見ても綺麗だろ」



それによ、と言葉を続ける彼に 私は視線を向ける。
そして目の前の彼は髪をガシガシとかきながら、顔を少し赤くさせて呟いた。



「そんなんに金使うよりお前と二人でどっか行った方が断然良いだろ」

「おっ・・・・」




オーバッ!!!









ゴージャスな彼











「今までオーバ見るとポテトとかハンバーガーとかチキンナゲット食べたくなるとか思っててゴメンねっ・・・!」

「すまん、もう一度言ってくれ」






2010.6/13

とりあえず、オーバゴメンよ、好きなんだ・・!
最後は友人とガチで語ってました(笑
そして腹がガチで空いてたのに金がなかったので二人でオーバにキレてました←(最低

ってか題名「彼」を「髪」にした方が良いのでは・・・(やめろ
自分で髪セットしてんのかなー、どうだろう。すみません、曖昧ですorz


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