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怒らないで先輩









「せんぱーい」








声をかければ彼は少し唸り そのまま寝返りを打った。
どうやらこの人は私の声が聞こえないほど、眠たいらしい。

そしてまたスヤスヤと眠り始めた先輩を見た私は、おもわずニヤリと笑みを浮かべ 彼のベッドに忍び寄った。




「すみません、ちょっと失礼しますね」




右手にマジックを持ち、それをそっと先輩の頬に近づけ キュキュッと音をたてて絵を描いていく。
笑いを堪えながらソレを書き終えると、私は満足して頷いた。




「ぷ」




震えるお腹を我慢して、私もそのまま寝ようと彼のベッドから離れた時 不意に後ろで動く気配が感じ取れ 驚き振り返る。

恐る恐るその姿を覗き込むと、そこには私をボーっと見つめながら無表情で黙っている先輩の姿が。


「・・・・・・・・・」


そのまま黙ってるだけかと思ったら、突然彼は舌打ちをし
どこか不機嫌そうな顔をしつつ そのまま気絶するようにまた眠りの世界へと入っていった。



「・・・・え」



「何なの」と、ビクビクしながら再び先輩の顔を見ると、そこには何事も無かったかのように眠っている先輩の顔しかなかった。
先程の黒い彼はいったい何だったのかと首を捻りつつ、ナマエは何も見ていないと呪文のように唱えながら 今度こそ自分のベッドの中に潜り込む。

とりあえず、私が彼にした事については何も気付いていないようなので 安心して眠りにつくことにした。





















怒らないで先輩
















「だっははははは!!ダッセー!」

「どうしたんだよお前その顔っ・・!ひーっ」

「まさか・・、そんな顔でランス様とお仕事しようと思ってんじゃないでしょうねっ」





朝起きて仕事場に来た早々 俺は訳も分からず同僚達の笑い者にされてしまった。
状況が理解できず、一人不機嫌そうに眉を寄せれば隣に居た女が鏡を持ってきて それを渡してくれる。




「何、まさか自分の顔見てないわけ・・?」




不思議そうに首を傾げた彼女の台詞に、俺は不安になりつつもそっと鏡を覗き込んでみた。
するとそこにあった自分の顔に唖然としていまい、言葉がでなくなってしまう。

目の周りに書かれた丸に
斜めの線で描かれているタレ目、
ポケモン独特の形をしている 両隅がくりんとした可愛らしい口元
そしてこの馬鹿にしたような顔をしているこの表情。

どっからどう見てもこれは・・・・・・・。




「・・・・・・・・ヤドン」




ボソリと呟いた俺の言葉を聞いて、弾かれたように笑い出したしたっぱの彼等は転がり回る。
お腹を押さえたり、床を手で叩き 顔を真っ赤にさせて震えている姿を俺はただ黙って見る事しか出来なかった。

そのまま行き成りの事で何が何だか分からずに俺はただ呆然と突っ立っていると、ふと昨日の晩の事を思い出し 顔を顰めた。

確か同じ部屋の後輩が笑っていたような気がしないでもない。そして頬に感じたあの筆のような感触。
あの時は眠くて理解できなかったが、今思えば犯人は奴しかいなかった。



俺はフツフツと湧いてくる感情に自然と手に力が入ってしまい、気付いた頃には鏡がミシッと音をたてていた。


ぷつり と何かが切れたような音が聞こえたのを確認した しったぱの彼等は顔を上げると、その表情を見ただけで笑うのをやめ 凍り付いてしまう。
シン・・と、静まり返った部屋の中で 彼の様子を冷や汗を流しながら見つめていると 不意に鏡が派手な音をたてて床に転がった。
そしてそのままドアを勢い良くバンッと開け放つと、息を吸い込んでお腹の底から叫ぶ。





「ナマエー!!!!!」






叫びながら部屋を飛び出していった彼を、少し脅えつつも心配してか その後姿をしたっぱの彼等は密かに追いかけていった。


「俺等は怒らせないようにしような」


小声で言った一言に、その場に居た彼等は一斉に頷いた。








































「ちょ、先輩何で鞭なんかもってるんですか・・?」

「あ?知るかよそんな事、どうでも良いだろ?」

「いや、良くないですよ・・?!痛いからソレ・・!」





部屋のソファーに寝転がっていると、行き成りドアが開き
そこには眩しいほどの笑顔で我が先輩が立っていたものだから、私は驚いて飛び起きてしまった。

黒く長いその鞭はいったい何処から入手したのか分からないが、とにかく彼は本気なのが分かる。

ヤドンが描かれているその顔には可愛らしさの面影もなく、素晴らしいほど怒り狂っているその微笑はとても恐い。






「よくも俺様に恥をかかせたな」






未だに笑顔でキッパリと言い放った先輩に、私は自分のしてしまった過ちを今更ながら後悔をしてしまう。
ほんの出来心でやったつもりが、まさかここまで彼を怒らせる事になるとは思ってもみなかった私は
とりあえず先輩に微笑みかけた。



「えwちょw」




だが私の誤魔化し笑顔もきく事は無く、一瞬にして凍りついたように先輩の表情が豹変する。
真顔のまま迫ってくる彼を、私はただ後ろに下がる事しか出来なかった。

まっまま魔王だ・・っ。だ、誰か助け・・・・っ!!




「ひぎゃああああぁぁぁっ!!」




次の瞬間、私の悲惨な絶叫は廊下をわたって遠くまで響き渡り
密かに追いかけて来たしたっぱの彼等が心配そうに部屋を覗いていたとか。


勿論、逃げ回り 追い回す私達2人のせいで部屋は戦場化し、その場はもうカオスとしか言いようが無かった。































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最初から最後までカオスですみませんっ・・!orz←←
相互リンク感謝品として、遥輝様にお捧げ致します^p^
したっぱの先輩を書けれて、私も楽しかったでs(ry


こんな駄目文で宜しければどうか遥輝様、貰ってやって下さいっ^^*
相互リンク、誠に有難うございました**

09/12/23

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あきゅろす。
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