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『新入団員は今日の夕方6時に、アポロ様の部屋にて全員集合せよ。』




その言葉がもはやエンドレスで遠く頭に響く。あぁ、私はきっと運が悪いんだろうな と思った。
だって現在6時30分経過、おまけに目の前にはあのアポロ様。

こんな場所までわざわざお偉い様を呼び出させてしまう私って、つくづく馬鹿だなぁって今なら自分に言えるよ。









怖いと思うのは私だけか










あれから私は残ったご飯を全部ヤド先輩に押し付けて、素早くアポロ様に謝罪をした。
すると彼は何事もなかったかのような顔をして歩き出し、私もその後に続く。


『すみません、ここのご飯うますぎですね』

『そうですか。時間がないので行きますよ』


はい、スルー。
あれですね、これは私が悪いのですね、はい分かってますとも。

しかも会話は食堂で謝罪したそれっきりで、現在私達は無言なままただ長い廊下を延々と歩いていた。
なんだろう、このしたっぱと幹部の温度の差は。アポロ様怖すぎないか。
そして若干歩くのが早いのは、時間がもうあまり無いと言う事をその背中が物語っており私は罪悪感でいっぱいだ。
ただ前を歩くその背中を私は静かに見つめる。


(てか、アポロ様ってお若いのにやっぱり背高いなー。姿勢も凄く綺麗だし・・・育ち絶対良さそうだよなー)


お昼になったら紅茶飲んでケーキ食ったりしてテラスでママン(母)と微笑んでたりしてたのだろうか。
やばい、それ凄く笑えるんですけど。ちょ、アポロ様良いキャラしてんねアンタ

ありえない妄想をしつつ、「こんな冗談言ったら容赦なく殺されるな」と名前は苦笑いをしながら思った。
それでも前で歩いているアポロを じーっ と名前は見つめると、不意に彼は足を止めて私の方へと振り返ってきた。

ヤバイ、見てたのバレたかな




「ここです」

「・・あ」



普段の素っ気ない態度のまま言われ、視線の先を見るとどうやらもうアポロの部屋の前まできていたらしい。
え、此処ですか・・ってか着くの早くないですか。何にも話さずに歩いてただけですよね。
そんな事を思ってたら不意に、アポロ様に睨まれた様な視線をおくられたので私はそこで考えるのを止めた。だから怖いって。

そして他の部屋のドアとは明らかに違う大きなその扉をアポロはゆっくりと引いた。
彼は数秒と経たず「お待たせしました」とドアを開けて中に入って行き、自分も急いでそれに続く。
あー、本当に時間無いんですね。



「これで最後です」

「・・・・・ようやく来ましたか。遅すぎですよ」

「見つけるのに時間がかかりましてね。ちなみに貴方の所の部下と長話をしていたみたいですが」

「・・・・・っ」



アポロがサラリと言ってのけるその態度にイライラしたのか、または自分の部下(おそらくヤド先輩だろう)にムカついたのか
緑色の髪をした男性は舌打ちをして壁にもたれかかった。

きっとこの人があの幹部のランス様だろう
初めて見るけど放っているオーラが尋常ではなく、名前は少し後ろへと後ずさる。


(こ・・怖いな皆)


辺りを見渡すと私の他に10人ばかりの新入団員が横一列に並んでおり、その顔は緊張で固まっていた。
現在、部屋には私達以外はこの二人しか上司が居ないにも関わらずその空気は重く、とてつもなく痛く感じられる。
きっとこの二人が放つ威圧感が特別凄いのであろうと、名前は少しだけ身震いをした。
なんだこの幹部の凄さって。したっぱとキャラ違いすぎるだろ。


「さて・・・・・」


アポロが机に座り、数々の資料の束を何枚かペラペラとめくっておおまかに目を通す。
てかこんな時に思うのも非常識だけど、本当に何やっても優雅ですよねアポロ様って。
なにか少し考えながら足を組むその優雅な動きに見入っていると、私はふとある事に気付いて視線をさ迷わせた。


(あれ・・・・?)


間違いなく気のせいではないだろうと名前は確信した。
先程部屋に入ってきてからずっと気になってはいたが・・・


(誰かに見られてる・・・?)


でもいったい誰が。
そう思ったがむやみに皆の顔を見るわけにもいかず、招待が分からずに名前は首を捻った。
ふと、横から感じる強い視線に気付いたものの、結局はそれも見れる事なく無駄に終わる。
くそう、誰だよ本当に怖いな。

だがアポロがいよいよ本題に入るらしく、私は視線の先を気にせずに真っ直ぐ前を見続けた。



「初めまして、私が幹部のアポロです。突然ですが貴方達に一番最初の仕事をしてもらいます」



カサリと資料を置き、アポロは目の前に立っている私達を一通り見渡して言った。
それを私達はゴクリと唾を飲んで見つめる。凄い緊張感だ。



「実行は早くとも明日。仕事内容はそこに居るランスと言う男が詳しく説明して下さるので、貴方達は彼の指示に従うように」



「わかりましたっ」と、皆口々にそう返事をしランスと言う男に振り返る。
私も皆の動作に合わせて横を振り返り彼を見ようとした時、何故かバチリッとランスと視線が合った。
その瞬間、どうやら先程からずっと私を見ていたのは彼と言う事に気付く。
うええ、この人って先輩の上司じゃん。


「よろしくお願いします。言っておきますが私は仕事には手は抜かないので、だらだらと足を引っ張らないようにして下さい」



そう言う彼の視線の先は、やっぱりまだ私に向けられたままだった。
え、何これ私に対しての苛めですか。

ランス様の服はしたっぱの服とデザインがあまり変わらないにも関わらず、その顔はまさに幹部その者。
「何か悪い事でもしたのか」と不安になりながらも、名前は彼の顔をじっと見つめた。
まだ何にもしてないんだけどな。








「まぁ、此処ではなんですので少し場所を移動しましょうか」










ランスはアポロに適当に相槌をうつと、そのまま部屋を出ていってしまった。
なんだちょっと緊張してきたのにこの人は。
したっぱ達があまりにも可哀相だよ。鬼畜だ、絶対に鬼畜だなこの人。
私達も「失礼します」とアポロ様に挨拶をし、ランス様の後ろに並んで歩く。





その時も、前で歩いているランス様に私が見られてたなんて事は流石に気付かなかった。










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幹部ktkr!←
すみません、なんか趣味丸出しの文しか書けないのがもろバレですよね(笑
てかランス様は絶対鬼畜だと思う私は^^←
アポロ様好きなのに、キャラが未だに定まってないですorz
が・・頑張ります。


09/11/2

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あきゅろす。
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