[携帯モード] [URL送信]




私が思うにはさ、ロケット団に潜入するんだったら絶対に女より男の方が良いと思うのよね。

だってただでさえ男の方が多くて、仕事がそっちにまわっちゃう上に
女だからって色々言ってきて上手いこと動けないのよ。
悲しいことに此処のしたっぱ共はどいつもコイツも大した事無いのに、態度だけは大物だし。




なにより私、顔つきがそこまで乙女チックな訳でもないし、男って言ってもいけると思ったしさ。





「おい、そこの新人」

「は・・・はい・・?」


わずかに肩をビクリッと震わせ、その新人らしき人物はゆっくりと振り向いた。

何処かきまづそうな顔をしていたがそんな事も気にせずに
したっぱである男は後ろにある荷物を顎で示す。


「これ、運んどけよ。俺様は幹部の所に行ってポケモンを捕まえてくるから」

「あ、はい。了解しました」

「んじゃ、頼んだぜ」


そう言って男は手をヒラヒラと振りながら面倒くさそうに幹部の下へと向かっていく。

最近、幹部であるランスだかダンスだかしらないが
何やらポケモンを使って金儲けをしてるみたいだし・・・人手不足と言う事か。
あまり乗り気では無い男の顔を見ると、少し同情してくる。
そんな彼を見送った私は、その姿が見えなくなると安心し「ほっ」と息をついた。




「本当にバレてないとか・・・・あんたらアホ過ぎるよ」



ここまでくると少し気がぬけるわ
名前は眉間に皺を寄せてため息をついた。







潜入作戦開始






ここは、かの悪集団で有名なロケット団基地本部。
といっても、本来ロケット団は三年前に解散しているので今は地下で密かに
活動を続けているのが現状だ。

そして私はと言うと、今はこのロケット団の新人団員として働いている。
ゆわゆる、したっぱのしたっぱと言う訳だ。



「とりあえず、これ運ばないとな」



そう言ってふり返ってみると、視界の端に多きな荷物が置いてあるのが映った。
名前は気合を入れると、頼まれた荷物を軽々と持ち上げて歩き出す。
本当は今頃スカートを穿いている筈が、ズボンのため動きやすくて快適だ。
当然ズボンを穿いているのだから、今は男の格好をしていると言う事になる。
なんかちょっと違和感感じるけど気にしないでおこう、うん。



「なんで女ってバレないかな・・・さっきの人も普通だったし。」



女の私がロケット団の男服を着ていても、皆少しも疑わずにあれよこれよと仕事を命じてくる。
その証拠に仕事と言うのはどれも面倒な力仕事ばかりで、私は主に荷物を運んだり
届けたりなどをしている。
別に重たい物を運ぶのは辛くはない、
寧ろ私にとっては簡単で楽な事この上ないから良しとしている。



「でもなんだろう。この複雑な気持ちは・・・・」



そう思った名前は自分の体を胸から下まで じーっ と見つめた。

胸は女にしてはお世辞でも言えたもんじゃない程度しかなく、長かった髪は
此処へ入団する前に短く見えるように、今は編み込んでいるため外見はショートヘアだ。
そうでもしないと、男だらけなこのロケット団ではすぐにバレてしまうと思った上での
行動であり、仕方が無いからやったまでだが。



(これが見事に皆騙されてくれてんのよねー・・・)



自分でも完全に女としての魅力を捨てた訳では無いが、自然とこみ上げてくる不満に
重いため息をつく。自分でも認めてしまうほど違和感が無いのがムカつくわ。

でもこの作戦を失敗させるわけには行かない、私はシルバーと約束をしたから。
彼もまた復活準備の話を聞いて、動いてるのか知れない。
三年前のあの日以来、お互いに顔を見る事なく今まで別々の場所で旅をしていたからそれも不明だが。

でも私は今、こうして旅を続けていくうちに得た情報を元に此処にいる。
ちゃんと此処にいてやらなきゃいけないことがあるから。



「早く、見つけないとね」




とりあえず、しばらくはこの格好のままこの本部で、不本意ながらも働く事になりそうだし
頑張ろうかとは思った。









NEXT→

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

今回は凄く短めです。
したっぱの俺様キャラ大好きです、キュンときます←
というか今更ながらライバルの名前はシルバーで良いの・・かな?(おい


09/11/2

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!