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ホラー映画鑑賞-1
「ッッッ…!」
「ほぅら、見ろ。たろう。貞子が井戸から這い出て来てこちらに・・・」
「ひぃぃ!!!」
「あ。おっさんが引きずり込まれた。」
「ひぃぃぃい!!!」
「い゛ッ!」
「本当、たろうとハチはベタな反応をするよね。ほら、たろう。こっちにおいで。」
「うえー…。」
「よしよし。ほら、ハチも勘右衛門を見習いなよ。こんな中、微動だにせずに寝ているよ!」
「俺には全てをシャットダウンして眠っているように見えるが?」
「もしくは飽きて寝た。・・・そう言や、音…無いよね?」
「たろう・・・聞いて驚くなよ・・・。」
「え。何・・・三郎・・・」
「実は・・・此処にきた。」
「・・・え。」
「俺達がリ○グを見ている所為か、どうやらおびき寄せたようだ・・・。」
「ひっ・・・え、嘘。嘘、だよね?」
「・・・」

三郎は静かに、ゆっくりと首を横に振った。

「え・・・。」
「だから、今 テレビが止まってるのも、その所為なんだ。」
「うそ・・・」

「(実際は停止ボタン押しただけなんだけどな。)」
「(あ、デッキに停止のマークがついている。)」
「(三郎の奴、まさか・・・)」

「だから、そいつを追い払うには・・・」
「うん、うん・・・。」
「今、お前が抱きかかえているでかい縫ぐるみと大量の塩が必要なんだ…!!」
「塩?!ちょ、ま・・・此処には食塩しかないッ!!調理用のしか無いッ!!!!」
「いや、それで十分だ!大丈夫だ、たろう!!今すぐそれを持ってくるんだッ!!!」
「うん、分かったッ!!!」
「あ、待て!たろう!!そいつが原因にもなるんだッ!!そのでかい縫ぐるみも置いてけっ!!!!」
「え、嘘・・・そんな!そんなのウソだと」
「たろう!お前の身が危ないんだッ!!」
「!!!ち・・・チクショーッ!!!三郎、それを頼んだッ!いざとなったら燃やしてくれッ!!!!」
「あぁ、分かったッ!!!!!」

「・・・駆けて行ったな。」
「ん?え、何々?なんか面白い事にでもなったの?」
「勘右衛門・・・お前な。」
「たろう・・・三郎の嘘に気付いて・・・。」
「と言うか、アイツ、一人で台所に行ったよな。」
「あ、兵助!キャラメ俺にもちょーだい!」
「あぁ、恐怖は人を勇敢にするんだな…。」
「っつーか、なんでアイツから縫ぐるみ取り上げたんだよ、三郎。」
「邪魔だったから。後、一人だけ壁を持つのは卑怯だ!」
「それを言ったらハチはどうなるの?」
「ハチはハチで面白かったからまぁ、いいや。」
「いいのかよ!」
「そう言えば、ハチが勝手にクッション使ってた事に対して何も言わなかったな、アイツ。それ、たろうがよく使ってたのに。」
「え。」
「よかったね、ハチ!今回の事はきっと見逃してもらえるよっ!!」
「ハチ…よかったね、自分だけ!」
「ちょ、ま…雷蔵、怖い・・・」
「あ。ちょ、待て・・・!この縫ぐるみ・・・抱き心地がいいぞッ!」
「え。三郎、何使ってんの?とっとと離れてくれない?それ、たろうがよく使ってるんだよ?汚れる。」
「何を言ってるんだ!雷蔵ッ!!お前、たろうが口に当てていた所に口を当てればたろうと間接キス出来るしたろうの匂いが嗅げるんだぞッッ!!!」
「気持ち悪ッ。」
「うわ、最低だな…。」
「久々地も何を言っているんだッ!!!たろうのキャラメルポップコーンを占領した癖にッ!!!」
「あれは向こうが勝手に…」
「と言うか、それ所じゃなくなったんだよね。ほら、三郎。離れなよ。」
「嫌だ!」
「三郎ー。たろうに嫌われるかもしれないぞー?」
「いや、もう既に嫌われてるかもね。」
「酷い雷蔵ッ!!」
「ん?戻ってきたぞ。」
「なぁ。たろう…半泣きじゃないか?」

「死ぬかと思った!マジ死ぬかと思った!」
「よし!よくやったぞたろう!」

泣きながら戻ってきたたろうの頭を撫でる三郎。しかし、彼の手から縫ぐるみは離れない。たろうの手に持つは、見た事のあるような土器に入った塩。一体どこにあったのか。

「実はと言うとな、たろう……」
「うん、うん・・・!」
「全てドッキリでしたー!チャンネルを押すとしっかりと映りまーす!!」
「え゛えぇええ!!!ちょ、返せッ!!私のドッキリを返せッ!!!あの暗闇の中途中で引き返そうかしまいか断念した私の希望と勇気を返しやがれぇぇえ!!!あ、返せッ!兎ッ!!!」
「やーだね!たろうばっかズルイじゃないかッ!一人だけ壁作るとはッ!!」
「ハチを見ろっ!ハチはしっかり握ってたよッ!クッション握ってたよッ!!!こんな非常事態だから許してたんだッッ!!!」
「ハッ!残念だったな!ハチのは防御壁じゃなくて、罠だッ!」
「何?!」
「カウンタートラップを仕掛ける為の伏線でしかないのだよッ!ハチがクッションを構えていた理由は…!!」
「何…壁ではなく・・・攻めだと・・・ッ?!」
「そうだ!」

「あれ?ハチ、そうだったの?」
「いや。」

「しかし…だけれどそんなの関係無いッ!返せ私のうさぎ!私のバリケートッ!!!」
「無理だねッ!俺達と同じ状況で恐怖を味わってもらわなきゃなッ!!!」
「無理だよッ!!!兵助や三郎と同じ耐久度を求めるなよッ!!!私もハチも三郎達みたいにポーカーフェイス出来ねぇんだよッ!!!無理なんだよッ!!!!勘ちゃんみたいに寝たいけど寝れないんだよぉおッッ!!!!」

「あれ?そうなの?」
「そうなんだよ。」

「ハッ!そんなの関係無ぇッ!」
「やだ!返せ私のうさぎッ!!」
「嫌だねッ!後数十分位我慢しろよッ!!」
「十分?!ぎゃー!無理ッ!無理ッ!!!」
「あ、テロップ無しで三十分だからな、後。」
「兎無しで頑張れって事かぁ。」
「兵助も雷蔵も他人事のように見ないで助けてッ!あ、ハチも参加して!加わって!手助けしてッ!!!」
「いや…お前も近くにあるクッション使えばいいんじゃね?」
「いや!なんか悔しいッ!!!」
「ハハンッ!次は俺が使わせてもらうからなッ!まだまだDVDは残ってるぜ?」
「気持ち悪ッ!他の使えよッ!それは私の専用だからッ!他に縫ぐるみあるからそれ使えよ!頼むからッ!返せッッ!!!」
「そうだよ、三郎。お前がずっと持っていたらたろうが吐き気を催して気持ち悪くって使えなくなっちゃうだろ?さっさとほら、返せよ。」
「いや、雷蔵さん・・・私、そこまで言ってない。」

サラリと当然のように毒を吐いた雷蔵さんがなんだか少し怖かったです。

「・・・あ、」
「ん?何、勘右衛門。」

何時の間にか三郎と騒いでいたら、リ○グへの恐怖が無くなった。ふぅ、後で感謝しておこう。この騒動を続けていれば、三十分なんて軽い、軽い…。
勘右衛門が声を上げた。あ、兵助がキャラメルポップコーンを持っている。ちきしょう、あれは私のだぞ!私がお金出して皆と一緒に、って思って買ってきたものなんだぞ!あ、まだ残ってる、食べよう。
兵助にキャラメル貰おうとして近づいたのが運の終わりだった。

「此処、CMで出てたよね。すっげぇ驚いた記憶がある。」
「へー。」
「へー。どんなの、どんなnギャーッッッ!!!!!!!」
「ひっ!」
「ッ!!!」
「?!」
「!」
「あ!」

ドアップで来た。ドアップで恐ろしいのが来た。大きく仰け反り反射的に兎に抱きつく。勘右衛門と兵助が私の声に大きくびっくりしたようだが、後でごめんなさいしとこう。兎、兎ッ…!

「い゛、あッ…む、無理無理無理無理ッ・・・!」
「・・・・・・・・・・・・」
「それだったら目を逸らしたらいいじゃない。ほら、たろう、そんなのに抱きついてないで。」
「ちょ、ま・・・雷蔵ぉお!取らないでッ!取らないでッ!私の兎ッ!駄目、絶対!駄目ッ!!!」
「参ったなぁ・・・すっかり暗闇とアレで参ちゃってるよ・・・。」
「あの、雷蔵さん・・・なんだか少し降り」
「駄目だ、ハチ。諦めろ。あぁなった雷蔵は止められないぞ。にしても、怖いな。たろうの悲鳴もコレも。」
「うん、すっげー驚いた・・・。」

「い゛いぃい・・・無理、無理、無理・・・マジ勘弁。ほんま夜眠れんわ…。」
「・・・・・・・・・役得ぐふぁッ!」
「ニヤケ顔で言うな気持ち悪い。しかも僕の顔だし。余計腹立つ。」


兎を奪取した三郎くんがたろうに兎と勘違いされて抱き付かれました。しかし、嬉しがっている三郎くんを気に食わない雷蔵くんが怒って何処かにあったのか、バールで三郎くんの顔を軽くどついてやりました。よかったね、三郎くん!雷蔵くんのバールは幸いポリエステルだったぞ!

[*yesterday][tommorow#]

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