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お昼-誰も不在(五年・六年)
「あ!滝!三木!きはちにタカ丸さんッ!!一緒にご飯いいですかッ?!」
「え、あ、はい!いいですともッ!!!」
「えぇ!喜んでッ!!!」
「なんでアイツ等を先に呼んだの?ねぇ、ねぇ?」
「なんか俺だけついでみたいな呼び方だったよねー。あ、カット何時来る?」
「あ、今度。ところで、何処座る?あ、受け取ってくれてありがとう。」
「いえいえ。ななしのさんの願いならこの滝夜叉丸、例え地の果て海の果て」
「うざい」
「うわぁ。」

きはちが滝夜叉丸にタックルを仕掛けた。よかったな、滝。買う前で。買った後だったら、お昼御飯悲惨な目に遭ってたぞ。

「あ、たろうちゃんは?」
「あ、持参弁当。まぁた注文多くてさ。あの社長。」
「それだけ期待してるって事ですよ。」
「私はやだよ。精々滝か三木かきはちに掛けて欲しいものだね。私にかける期待を綺麗に三等分して。」
「ねー、俺はー?」
「タカ丸さんはカット専門じゃん。」
「ひどーい。」
「タカ丸さん、うざいです。」
「痛い!痛いよ、喜八郎君ッ!」
「こらこら、駄目でしょ?タカ丸さんだから許して下さい。」
「たろうだから許す。」
「何だそりゃ。」
「じゃ、俺 たろうちゃんと一緒に席とってくるねー!」
「死ね、タカ丸。」
「えぇ、頼みましたよ!タカ丸さん!」
「ななしのさんを頼んだからな!!」
「・・・」

今、きはちが酷い事を言ったような気が・・・。まぁ、本人が気にしてないから、口に言う事は止めるか…。



「じゃ、」
「いただきまーす!」
「あ、二人とも。食事中の時くらい、静かに食べなよ。」
「う゛っ。」
「ななしのさんに言われたら・・・仕方がない!今回だけは勘弁してやるッ!滝夜叉丸ッ!!!」
「何を?!それはコッチの台詞だッ!!!」
「うるさいですよー。」
「うぐっ!」
「うげっ!」

わーお。クリティカルヒットー。

「いいよねー、男の子は。何でも食べれて。今、女の子の身が憎く感じちゃうよ、私。」
「えー。でも、たろうちゃんが男ってのも…」
「トマト食べれって言うのよ、トマト。ありえなくない?一日三食に一回はトマトって。しかも生のでかいの一個。無理じゃなくね?」
「ガッツで。」
「きはち、それが無理だから私は音をあげているのよ。だからこんなに大量のリロテン豊富な野菜の種類をぎっしりと弁当に詰めてんのよ?」
「うわあ・・・。」
「これは酷い・・・これを、自費で?」
「いんや、半分は会社払い。だけど、他の物に関しては自費だとよ。ドレッシングも、光熱代も、皆・・・。」
「でも、モデルの、払いはいいんでしょ?結構入ってるって聞くよ?モデルの。」
「うーん・・・それはタカ丸さんもじゃない?タカ丸さん程の腕でご指名のつく程だと、給料いいと聞くよ?それを地元のじいちゃんばあちゃんの散髪屋に払いなさい。」
「やだよー。いくら位掛かるって言うんだよー。そう言うたろうちゃんこそやったら?」
「私は宝くじで二億円入ったら、本当に寄付してくれる所に寄付しようと思っているよ。いや、寄付する。ところで宝くじ買う所知らない?」
「えー。自分で調べてよー。」
「ちぇー。まぁ、いいけどさー。」
「それにしても、よく飽きませんよね?それだけの野菜を毎日・・・。」
「ん?あぁ、お昼は時間が無くてサラダをぎっちり詰め込んでいるだけ。朝や夜はきちんとしてるよ。ポトフや何かに調理して。」
「あ、ちゃんと料理しているんですね。」
「む。何、その滝夜叉丸の発言。もしや料理してまんよね的な発言は。」
「いえ、決して!」
「まぁ、実際面倒くさくなると、サラダで済ませてるんだけどね、実際。」
「一口いい?」
「いいよ、どうせ過剰摂取してるし。」
「過剰?!」
「じゃー・・・・・・これ、市販のドレッシングと違うよね?」
「うん。ドレッシングだけは作った。お家に大量保存している。中くらいの瓶に一瓶だけど。」
「え?!じゃぁ、私も」
「ぼ、僕もッ!」
「ぶぶー。残念。これ以上食べられると足りねぇと社長から怒られるので駄目でーす。」
「えー。けちけちー。そんなに細かく分かるわけないじゃーん。ねね、一口、一口!」
「残念、タカ丸さん。実は一度だけあるのだ。三郎・兵助達に集られて一定の量食べなかった日が・・・。そしたら計量機っぽいもの持ち出されて測定されてさんざん注意されたよ。あっははー。もう正座させられたくねぇ。」
「あぁ・・・あの人の説教はキツイですからねー。」
「あー・・・確かに。」
「・・・」
「あ。そう言えば、その三郎くん達ってどうしたの?何時もたろうちゃんと一緒に食べてるじゃない。」
「あー・・・それが・・・いきなり『男の子の日だ!』なぁんて言っちゃって・・・お昼ほったらかしでどっか行った。しかも、この日に限ってやたら絡んでくる先輩達もいないし…もう最悪もしや私一人お弁当?あそこだけは嫌だ。って思ってた時にきはち達を見つけたんだよねー…いやー。神の助けかと思ったよ。」
「もう彼等と手を切って私と一緒にいたらどうですか?」
「駄目だよー、喜八郎くーん。そう言う事は思っても言っちゃ駄目だって。」
「しゃっ!」
「ひぶしっ!」

「あ。そう言えば、滝や三木エ門は聞いてない?七松先輩やあの隈の酷い先輩の事とかさ。なんか聞いてない?」
「あ、いや…私は特に何も・・・」
「あー・・・私も、です・・・。」
「ふーん・・・そっかぁ。じゃぁ、今度聞いてみるかなぁ・・・会った時にでも。」
「あ!止めておいた方がいいですよ?!先輩達にも先輩達の事情がありますし!!!」
「え、そう?」
「そうですよ!それに、私達にはよくあるケースなんですからッ!!ね、ね?!」
「え・・・わたしたちによくあるケース・・・?」
「ば、バカッ!三木エ門ッ!」
「はっ!まず」
「まさかッ!ストーカー?!ちょ、誰だよ、そんな事してるの・・・・・・ちょっと、待ってね!今、金属バットか釘バットを・・・」
「わーわー!!いいです!いいんですッ!!!私達の事なんか!と言うか、何故そんな物騒な物をッ?!」
「え、脅し?まぁ、実際には無いから使われても意味ないんだけど。あ、いいの?無いの?それ。会社に通報しなくても大丈夫?」
「大丈夫ですから、大丈夫ですから・・・お願いですから、携帯の番号から手を離して下さい…。」
「あ、うん。分かった。まぁ、それならそれでいいんだけどねー。あ、きはちもタカ丸さんも気を付けた方がいいよ!滝も三木もだけどさ、今話題になってるからねー。あの四人かっこいい!って。だから、すとーかーどうこう問題も起きるかもしれないから!そう言う時は、即警察か相談してねッ!!!」
「あ、あはは・・・は、はい・・・。」
「え、えぇ・・・分かりました。」
「たろうちゃんもそうしてねー。すぐ俺が駆け着くからー。」
「撃退してやりますので大丈夫です。」


アンタだッ!アンタが心配しろッ!!!と、滝夜叉丸と三木エ門はたろうに向かって叫びたかった。

[*yesterday][tommorow#]

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あきゅろす。
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