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愚痴
「うわー!聞いてよ、勘ちゃーん!らいぞー!!」
「え!?何?どうしたの、たろう?!」
「どうした、どうしたー?」
「仙さまに叱られたー!」
「え…せんさま?」
「あぁ、立花先輩の事ね。」
「うん・・・客が忙しすぎて授業あるから授業あるからと言ってたら叱られたー!!」
「うんうん。」
「あぁ、それでたろうはあの授業の終わりギリギリに来たんだ。」
「うん・・・でも、でもさ!それでも、客大勢に私一人でやらかすのもアレじゃない?!酷いと思わない?!」
「うーん・・・運が悪かったとしか言えないね。」
「でもさ、その場に立花先輩と伊作先輩がいたんだよ?そりゃないでしょ?後輩一人に大量の客押しつけるなんて…。」
「そっか。」
「ふーん・・・何人いたんだよ、客。」
「・・・十人。」
「少なくね?」
「・・・さぁ終わろう片付け始めよう、って思った時間にだよ。」
「注文受けたお前が悪いんだろ。」
「う゛ッ・・・でも、でもさ!最初は一人かと思ったんだよ?!二人で終わりかな?って思ったら、次々と客が溢れ出るように来たんだよ?!有り得無くない?!それッ!!!」
「うわー。精神攻撃だねー。」
「そうでしょ!勘ちゃんッ!!私、それで終わりかと思ったら、トータル十人だったんだよッ!!!しかも、次の時間とりたい教授の授業ッ!!!私、それに出たかったぁ!それ話全部聞きたかったぁあ!!!!」
「後で俺が教えてやったじゃん、それ。」
「三郎は授業の肝心なとこだけッ!私、あの話の間間に挟む小ネタも聞きたかったのッ!!!」
「ふーん・・・あんなのが、ねぇ…けっ。」
「そっか、そっか。それじゃぁ、大変だったね、たろう。よしよし。」
「うぅ…。しかも、立花先輩も伊作先輩も注文してきて・・・」
「それで十人?」
「・・・トータル十二人…後の二人は、自分で淹れてもらったから、カウントしなかったけど……。グズッ」
「あぁ、たろう!泣かないで!ね、ね?ほら。」
「う゛ぅ・・・授業出なくちゃと客の注文こなすので頭頭一杯だったんだよ?すごく一生懸命したんだよ?一生懸命にやったんだよ?なのに、なのに。あんなの無いじゃないかぁ・・・。」
「あー、はいはい。要するに慰めて欲しいのね。よしよしたろうちゃぁん。お疲れ様でちたねー、酷い先輩でちたねー。」
「こら!三郎ッ!!」
「うぅ…そうであるはずなのに、イラつくの…腹が立つのは何故だろう・・・。まぁ、ぶっちゃけた所言うと、ぶちまけたい。愚痴をぶちまけたい。胸を貸して泣かせて雷蔵!」
「う、うん!僕の胸でよければ喜んでッ!!!」
「キツイんだよ!立花先輩の一言一言が重いんだよッ!そりゃ客商売だから客にあんな事言っちゃいけないってのは分かってるけど、こちらだって学生だし何時でも何でもカフェいるわけじゃないし他の学生さんだってあのカフェが学生運営だから運営時間が貼りだされているから分かるって思ったら、遠慮なしに注文してきたよ!本当、マジ参っちゃうんだよぉ!!!!」
「うん、うん。」
「清掃員のおばちゃんや給食のおばちゃんだけやまだしも学生って…このやろ!限度を知れ!ちきしょーッ!!!何でだよ、何でだよッ!この前、次の授業の先生の注文受け取って長くいすぎた所為か?!客の注文こなした所為かこのやろーッ!!!」
「あー。それでたろうと先生、遅かったんだ。」
「そうだよー…。う゛っ・・・ほ、本格的に泣けてきた・・・。」
「あぁ、たろう…ほら、泣いてもいいよ?僕の胸でよければ、何時だって・・・。」
「うぅ…。」
「あー、本当無理だわ。もう辞めたい。」
「びっ・・・う゛っ。辞めだいってどこまではまだ、いってないけどざぁ・・・グズッ。もう少し、言い方と言う、ものがぁ・・・」
「私のハート、ガラスのハートなんだからもう少し大切に扱え!」
「ぞうだぞうだぁ・・・乙女のハートは、女の子のハートは繊細なんだぞぉ…ぐっ!」
「・・・」
「しかも、伊作先輩まで・・・やんわりとだけど、地味に傷付いた・・・味方だと思ってたのに…。私の気持ち、分かってくれると思ってたのに!あの迫りくる時間の中大多数の客をこなすと言う苦悩と大変さをッ!!!」
「・・・と、たろうは申しておりますが?立花先輩。」
「え、嘘?!三郎ッ!!?!」
「やぁ、たろう。しっかりとお前の気持ちを聞かせてもらったぞ?」
「ひぃ!」
「んん?折角慰めて貰った不破の後ろに回ってどうする気だ?ん?また私の愚痴を零すつもりか?」
「愚痴、と言うか願い!切実な願いッ!!!」
「ん?その切実な願いとは一体如何なるものか、聞かせて貰おうじゃないか。」
「もう少し柔らかい言い方をッ!オブラートに包んでッ!!!痛い痛い痛いッ!!!!」
「は?お前が鈍感だから普通に物を言っているだけだろうがッ!一度教育し直してやろうかッ!!」
「いいですッ!二度手間は嫌いですッ!頭痛いから手離して下さいッ!!!」
「あ、あの。立花先輩?たろうも嫌がっている事ですし、そろそろ放してあげてはどうですか?」
「黙れ、不破。これは私達の問題だ。」
「キャー。痛い、辞めて、立花先輩。クビはまだ御免!」
「と言う事は、なる予定があるって事だよなぁ。」
「三郎さんッ!貴方、さっきから人の傷口抉って何が楽しいアイタタタタタッ・・・!そりゃ、陰でこそこそ言われるよりはマシだろーけどさぁ!あいたぁ!」
「雷蔵ー!三郎ー!次始まるよー!あ、たろう!きちんと先生に話つけといたから!あの先生、遅刻OKなんだって!」
「止めて勘ちゃん!でもありがとうッ!嬉しいな!でも、できたら私 この状況を止め痛たたたたッ!!!!」
「じゃ、たろう!また明日!」
「え。私帰り?!私、帰れって言うフラグ?!何このフラグッ!止めて勘ちゃんッ!!!」
「あ、今日 兵助達とご飯食べる約束したから!たろう、下ごしらえよろしくね!!」
「何勝手に約束しちゃってんの?!この子ッ!しかも何時の間に?!あ、さっき消えてた間かッ!」
「うん!ってな訳で、頼んだッ!」
「何さっぱり言ってんのアイター!あー!勘ちゃん!何行ってカムバーックッ!あ、腕痛いッ!!!!!」

「・・・何かね、双子。」
「たろうさんが嫌がってるので離した方がいいと思いまーす。」
「突拍子な事を思いつく頭が益々意味不明な事をやらかす頭になりますので、もうそろそろ離して頂けないでしょうか?」
「何それッ!雷蔵酷ッ!」
「これは私とたろうの問題だと言っているが?店長と従業員の話だ。部外者は黙ってもらおう。」
「えー。でも、善方寺先輩が店長だとたろうから聞きましたがー?」
「店長って、お二人でいらしてるのですか?」
「あ、いや…善方寺先輩が総括的なもので、立花先輩が客の接待とかお会計とかいわゆる総括的なもイタタタタタタ!先輩、痛いッ!!!」
「馬鹿な従業員の躾をするのが私の役目でね。邪魔しないでいただこうか。」
「躾って、なんかエロ―い響きですよね。何するんですか。」
「酷い事ですか?」
「痛い痛い痛い痛い!雷蔵三郎痛いよッ!痛いッ!絶対皮向けてるって!血ぃ出てるってッ!!!先輩も痛い!頭割れる!割れちゃうってッッ!!!」
「ハッ。本人の感覚次第だな。」
「僕、たろうの笑った顔が好きなんです。泣かせないで下さいません?」
「SMですか?でも残念ですね。俺が一番たろうを虐めてるんですよ?実際。」
「いやー!痛い、痛い!マジ死ぬッ!これはヤバいっ!あ、きはち!いさっく先輩ッ!たすけてー!!!!!!!!!!」


どんがらがっしゃん的な展開で、二人に助けられた。
喜八郎は立花先輩に鈍器(何故スコップ!?)を食らわせ、伊作先輩が雷蔵三郎を引き離した事で、私の大出血と頭蓋骨粉砕は免れた。痛かった。凄くキツかった。痛かった。第二の事故が起こると思ったよ、頭の。

いさっく先輩は私の腕の治療をしながら、三人に説教している。後ろで喜八郎が私が掴まれた頭の部分を撫でている。

「あ、綾部さん。ありがとうございました。」
「きはち、でもいいですよ。何時か喜八郎と呼ばせてみせますんで。」
「あはは、そうですか。」
「はい、出来たよ!たろうちゃん!あぁなったら、何時でも言ってくれればいいからね!」
「あはは・・・ありがとうございます、先輩・・・。でも、できるだけあぁなりたくない。状況。死ぬかと思った。頭かち割られると思った。雷蔵三郎も、凄い力だったよね…骨まで貫通されるかと思ったよ。」
「あははは・・・」
「けっ。」

いや、本当。あんた等顔が似てても性格までは違うよね。いや、同じだったらそれはそれで気味が悪くなるような区別がつかなくなるような…。


帰りに、立花先輩が言った「アイツの胸に抱きついてなかったな」と言う言葉が引っ掛かって、「何時からいたんですか?!」と聞いたら、顔を逸らされた。

いや、確かに・・・雷蔵に頭を撫でられたり背中を擦られたりはしたけど。私だって、それ位の貞操くらいありますよ、そりゃぁ。あー、疲れた。次は兵助達の晩御飯ですか・・・重労働!食材持ってこい!



仙さまとの出会い(珈琲話が)消えて頭が/(^O^)\パーン!オワタora

[*yesterday][tommorow#]

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あきゅろす。
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