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死霊使いが子供を保護しました。



−−−−−気持ちが悪いものですね



誰に語りかけるわけでもなくそう、呟く。
途端、その呟きにたいしての答であるかのように機械から壊れた音がなった。舌打ちをする。
こうなった原因の一部であるあれを後で抹消しますかねと物騒なことを思う。
いや、しかしあの馬鹿がこちらによこした情報、−−−−所謂、我が友ジェイド!!喜びなさい、我等が研究の理想体である完全同位体が完成しました!つきましては…ってなにするつもりですか!やめなさいっそれが親友にたいするってぎゃー!!!−−−という一連の流れによってこの場所が露見したのだからと自分を制御する。

「…では遠慮してインディグネーションをあれにむけてはなちますか」


いやー我慢強くなりましたね、歳でしょうかと一人ごちる。
気が滅入って仕方がない。
ガゴンという音をたて機械を壊す。
これ以上は壊していても無意味だろうに、と苦笑する。
ココは、とっくに修復不可能なほど壊している。
それでも今の今までそのことに気付かず壊す作業をやめなかったのは、自分の中の嫌悪のせいかと結論づけ眉を潜める。
苛々とする気持ちが納まらない。自分はここまで子供なのかと頭のどこかで冷笑する。
苛々とするのを落ち着かせるように瞳を閉じ先にある機械を破壊するための術を口内で呟いた。
風の、フォニムが動く気配がしてすっと瞳を開く。


赤、だ。
いつも見る血のような赤ではない、鮮やかな赤。
ここにあるはずのない色。
そしてまずい、と思う。
赤は子供、だった。

急いで術を切ろうとしたが、間に合わない。
ちっと、舌打ちする。
術自体は軽いものだが、子供がくらって無事ですむものではない。
槍をなげる。
間に合うか、


子供が特有の大きい瞳を見開く。
ガガガガガ、空を裂く音を耳にしながら情けないものだとため息をはく。


「……大丈夫、ですか?」

フォニムの風が終わってからとっさに抱きしめていた小さい体をはなし、子供を見る。
ついでにいうと自分は無傷だ。
術の中心地にいたとはいえ味方センサーのついた自分が怪我をするはずがない。

こんな場所でなにをしているのだろうか子供の丸い瞳を見て思う。
思うと同時に、気付く。
庇ったとはいえ擦り切れてしまったのだろう、顔から流れ出ている血と、さっきまで触っていた朱い髪。
そして翠の瞳。

自分が所属する幼なじみの国のものではないもう一方の王国の、……誘拐されて戻って来たというあの一族と同じ特徴で、
つまりコレは、


「ーーレプリカ、ですか」


すっと瞳を細め座っていた状態から立ち上がる。
コレはレプリカだ、風のフォニムによって短く切られてしまったまばらな髪を見て核心した。
色素は下に向かうほど薄く、切られたほうの髪はもう存在すらしていない。
典型的なレプリカの特徴。
立ち上がった事で不安になったのだろう、あ、と短く細い声を出す。
それを知りながら無視し後ろを向こうと方向をかえる。
くん、何かがひっかかる気配がしてそこに目を向けた。
先程まで力のいれかたすらわからないというようにぺたりとしていた小さい手が軍服を掴んでいた。
子供の本能というものなのか、それだけが支えのように小さい子供が必至に、
泣きそうな表情で必死に軍服を掴む。
案外力強いそれ。
引き離そうとおもえば簡単だろうが、
少しだけ沈黙がふり大人ははぁとため息を漏らした。


「…一緒に来ますか?」


引き離すのが面倒だという怠惰と、かけなしの情、そして外にでたら兵士に引き取らせようという計算でそう口にしたら文字通り言葉がわからなかったのだろう子供は泣きそうな表情からきょとんした。













−−−−−−−−−−
このあと兵士に渡そうとしたらルークが泣きわめいてはなさないという問題が発生したためジェイドが引き取ることになります(笑
ジェイド子育て子煩悩物語の始まりですよー
楽しいですよー(ヲイ



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