ですから、天使です。
天使ってどうやら読書家らしい。本人にいわせると軽い活字中毒ですよということだ。
人間が作ったもので言葉以上に素晴らしいものはないと褒めたたえていた。天使本人、つまり――本人は黒い服着てるし、瞳は綺麗な赤で槍ももっていたりするし一見天使というよりも悪魔みたいだけど天使の―――ジェイドが。
紙でかかれているものならなんでもいいらしい。この前は俺が飽きてその辺にほうり出していた音楽の歌詞を興味深そうに見つめていた。
きらきらひかる夜空の星よ、…なるほどと楽しそうに。有名な曲だがどこがなるほどと楽しそうにいえる内容なんだろうか。天使って変だなぁとしみじみ、思う。
私が見える貴方に興味があるんです、といっていたのにルークをかまう以上に俺の家にある本(本のために一部屋あけているため膨大な量だ)ばかりを見ていて。今ではルークよりもジェイドのほうが家にある本を知っているぐらいだ。
一度ガイに天使って本好きなのかなといったところ、どこかの小説にも天使は図書館に集まるという文章があるらしいという事を知った。やっぱり天使は本好きらしい。
へぇ、と思っていると何か勘違いされたみたいでガイが母上にルークが本に興味をもったようですよといって、母上が嬉しそうに本を集めだし、(剣に興味をもつよりも怪我がなく安全に過ごせる本に興味をもったことが嬉しかったみたいだ。)結果、ジェイドが満足そうに本の山を築いて、今の状態になってるわけだ。
暇、だなぁと紅い瞳が本へ向かっているのを見ながら、思う。
残念ながらルークにとって本はたいして興味をひくものではなかった。
むしろこの話し相手を取られたような気がして、
ムスリとしながら立ち上がり、窓をあける。
そんなものより、
「なぁジェイド、」
「…――はい、」
なんでしょうかとぺらりとこの前の本の続きを見ながら返事を返す。
気に入ったのか、それともこの前の曲の歌詞に不可解なことでもあったのか、キラキラ星の絵本だった。ギャップに笑う。
「なぁ星って外でみてもこうなのか?」
「はい?」
「え、いやさ、俺この家から出たことないっていっただろ?それで」
本当にこの星空はこの場所にあるだけではなく、外に続いてんのかなーって、
思ってとただ思い付いたことに一人であたふたとする。
いつの間にかじっと本からこちらに視線を移したジェイドは静かに笑った。
手を、といわれたのでジェイドの手に手をあわせる。
すぅと息をはき、ジェイドの瞳が閉じるのを首を傾けながら見た。
どうした、と口にする前にあたりがぐるりと闇に包まれる。
なんだなんだとあたりを見回す。キラキラとした―――そう、星みたいなのが、ある。
その星みたいなものに守られるようにして優しい光があって、下を見ると街頭のようなものがぽつりぽつりとまばたきをしているように光をはなつ。
「ジェ、」
イドといい終わる前にあたりがさっきまでの部屋へと変わる。
ぽかんとしているとクスリといつの間にか開いていた赤に笑われた。
「まぁ、今日はもう遅いのでこれでおしまいです。」
なかなかでしょう?キラキラ光る夜空の星は、そういいながら星の絵がかいてあるページをひらひらとさせる。
「…あれ、外の景色、だったのか?」
「えぇまぁ私が見た世界なので詳しくは記憶の中の景色ですが。」
どうしました、とジェイドは本をもちながら眉を潜め手を握ったまま下を向いたルークを見つめる。
す、とルークは口にした。
「す?」
「すげー!!ジェイド、俺、はじめて外見た!ジェイドって本当にただの不審者じゃなかったんだな!!」
なるほどー、ルークは私が不審者だと思っていたわけですか、にこりと綺麗にジェイドは笑う。アハハと乾いた笑いを返すとと頬を抓られた。
ですから私は天使だといったでしょう!!
いひゃいいひゃいしぇいろ!つぇんしがいいにょかこんにゃことして
はい?ルーク、ちゃんと話してくれないとわからないですよー
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天使パロ続編。
ジェイドは天使です。血迷ってなんかいません。
まだまだ続くぞ!お付き合いよろしくお願いします。
参考:天使の詩
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