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昔夢見た


幼い頃いつも夢見ていました。

真っ赤で苦しく醜いだけの僕の世界を塗り替える誰かが来てくれる事を(今思えば自分も子供らしい可愛い感情があったものだと驚くが)

そんなお伽話を頭の中で思いつづけていて(そう思えばまるで何かに縋るかのように、)

でもそれはやはりただのお伽話にすぎなかったんです。
すぐに自分の世界は自分で壊すしかないのだと理解しました。
こんな汚い醜い世界を、すべてを赤で塗り潰しました。(都合よく赤はどこかしこにもあったので顔料には困らなかった)

だって汚いじゃないですか、こんな世界は
すべてを赤にして、自分すら真っ赤にで染めた。

醜い、醜い、醜い、醜い、醜い醜い、取るに足らないこの世界。

それ、なのに、





「なぁお前、何をそんなに怯えてるんだ」



赤い世界で見つけたたった一つ赤く染まらなかった、青が、綺麗な空の色が(昔、恋い焦がれてしかたがなかったあの色が、)眉を寄せながら真っ赤に染まった自分の頬に触れた。
青が発したその言葉に自分が微かに震えている事に気付く。(最初はこの青が赤に怯え震えているのかと思ったが、)





昔はこの世界を塗り替えてくれる誰かが欲しくて堪らなかった。

今は世界を塗り替えてしまう君の存在に心の底から怯えている。






赤い世界を壊す、青



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