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現実味のありすぎる思想




「あ」



目がさめると少しだけ泣きそうな翡翠の瞳がアップでうつされた。
それに少しだけ驚きながら(まさかここまで近くに人が近づいて気付かないとは!自分はよほど油断していたらしい)動揺を悟られる前に
夜ばいですか?
それとも、落書きでもしようと?あぁお仕置きをご希望なんですか?
と流れるように口にする。
子供は一瞬理解出来ないという顔をした後、すぐにち、違うぞ!!と手を前に出し横に振りながら声をあらげた。

その素直な反応にクスリと笑う。

じゃどうしたんですかと質問すると少しだけ言い淀んでから


「生きてるのかなーと思ってさ」


と小さく告げた。
寝ている私はまるで死んでいるようだったらしい。
身じろぎすらしないから死んでいるのではないかと見ていたと、子供は語った。

あぁそいいえば以前一度だけ…今は国の王として座っているあの幼なじみにも、お前は眠ると人形みたいになるから寝るのをやめろ、などと言われた気がする。

もちろんすぐに、では交換条件に貴方の大切な豚さんに晩餐の材料になってもらいましょうといったが、(鬼!悪魔!鬼畜眼鏡!と情けなく幼なじみは叫んだ)



「…それは、心配させてすみませんでした」

もう大丈夫だとあやすように子供の髪に触れ、微笑む。
翡翠の瞳が驚いたというように目一杯開かれてから、いや生きてたならいいんだといい、甘えるかのように(気付かないぐらい微かすぎたが)人より温度が低い手にその赤を擦りつけ、


笑った。

その笑みにあぁ、と冷静な頭で思う。

貴方こそ、まるで死ぬかのようだ。


「……ジェイド?」

どうかしたのかと恐る恐るこちらを伺う子供にいいえと短く答え笑った。





それは現実味がありすぎて、



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