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バス停を降りると紫高校は目の前に見えた。
九条はようやく一息ついた。入学式を入れても今日は登校二日目だ。未だ多くの交通機関を使う道のりに慣れていないのが本音だ。

やたらとでかい門が生徒を迎える。それはこの学校の歴史の長さを誇示しているようだ。

実際、紫高校は由緒ある学校だ。戦後まもなく創立して以来、県の高校教育を先駆する存在だった。
昔は部活動も盛んだったという。野球、陸上、バスケなどで全国レベルに達した時代もあったらしく、それら主力の部に牽引された文化系を含む他の部も常に活気があったと聞く。

ところが十年前を契機に、近辺で私立高校が次々と建つことになる。設備や資金面で有利な彼らの出現により、紫高校の部活は地区大会を勝ち抜くことすら困難になっていった。
公立校の限界というやつだ。
学校側は近隣校と差別化を図るため、数年前に方針を部活動から勉学中心に転換、進学校化に成功した。
それが今の紫高校だった。

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