Fall・Army ページ:2 「いよいよ初任務だな、フェン」 滑走路の横、出撃前の装備で身を固めたビルが話しかけてきた。 彼はフェンの幼馴染みだ。同じ時期に部隊に入隊し、一緒の部隊に配属された。 同じく装備をしたフェンは応える。 「ビル、お前緊張してるのか?」 「まぁな。これから戦場に向かうってのに、緊張しない奴がいるかよ」 「俺は大丈夫だよ。ドイツ兵なんか怖くない」 「へっ。せいぜい強がってろよ」 その言葉は嘘ではなかった。 フェンが空挺部隊に配属されてからというもの、味気ない訓練ばかりを繰り返すばかりで、 いつしか本当の戦場に立つことを待ち望んでいたのだ。 彼らの先輩たちはかのノルマンディーや、イタリアのハスキー作戦で既に戦果を挙げている。 次は自分らの出番だ、と胸を踊らせていたのだった。 そして9月、 遂に今回の作戦に参加することになる。 その作戦はマーケット作戦、と名付けられた。 ≪*前へ次へ#≫ [戻る] |