Fall・Army ページ:3 「10時の方角に接近3。射撃準備…」 ニックに状況報告。まだこちらからは撃たない。引き付けさせる。 敵は広場の中腹に達した。装備したマシンガンで牽制しながら、噴水の影を使い確実に距離を縮めて来る。 「フェン、まだか…」 隣のニックがしゃがんだままトンプソンを構えて呟く。目の前の花壇の土が敵の弾丸で弾ける。 とうとう、噴水から此方へ飛び出してゆく、敵が一人、二人…! 「…ファイア!」 ニックがトンプソンをバーストさせる。 不意を突かれた敵が避けようとした。が、鈍い発射音と共にばらまかれたトンプソンの弾幕は敵兵を捉える。その内2、3発がそれぞれの体を貫く。 突撃で体をさらしていた敵二人は、近距離でもろに銃撃を受け、不自然な体勢で倒れていく。 ニックは連射をやめない。そのまま銃口を噴水にずらし、隠れているもう一人に牽制射撃を続行。 襲いかかる弾幕にその敵は身を隠さざるを得ない。 「…リロードだっ!」 「カバー!」 ニックが装弾数を撃ち尽くした。彼がリロード(装填作業)する間、フェンがその隙を埋める。 噴水付近の敵兵はニックのリロードタイミングを先読んでいたのか、ライフルで狙いを定めようとしていた。 手持ちのガーランドライフルでフェンも狙う。二者の火線が一瞬交錯した。マシンガンのそれとは違い、乾いた発射音が数回響く。 敵の弾はフェンの横をかすり、こちらの攻撃は相手を捉えていた。二発程命中したはずだ。 ≪*前へ次へ#≫ [戻る] |