気がつかない(三木ヱ門/微友情)

男友達、女友達、似た者同士。

背の小さな男の子…ではなく女の子は自分よりも背の高い同期生 兼、友人に声を掛ける


「みきー」

「…、」

「みーきー」

「…。」

如何せん声を掛けられた男の子は愛用する火器の手入れに夢中。
ちょっとやそっとじゃ反応してくれません、ムカついたので思いついた言葉をコロコロと零す事にしました


「みーきーのー会計ばーかー。ギンギン先輩の使い魔ー」

「っさあああああい!僕は会計バカじゃないっ!あと潮江先輩の使い魔でもないからなっ」


すると案の定、反応が返って来たのでそのまま話を変えます。


「みき、おべんきょ…教えて?」

「…お前みたいなバカに教えるほど僕は暇じゃない」

「どうせバカだもん。みきは私より頭が良いじゃん」

「ソレは当然だ。僕は成績優秀だからな!」

「成績優秀なら良いじゃん。えっと、こことここ……教えて?」


本当に勉強を教えて欲しいので、一応友人の顔色を伺うように首を傾げてお願いしてみた。

「…だめ?」

いつも女の子がこうやってお願いすると文句を言いながらも友人の男の子は勉強を見てくれます。女の子は今回も教えて貰えると良いな、なんて考えながら友人の服のスソを軽く握る

「……っ!わ、解った…」

「本当?みき、ありがとっ」

「う、あ!?くっ、くっつくな彩夜…っ!」

友人と他愛ない会話をしながら勉強を見て貰えるのは、成績の余り宜しくない女の子にとっては本当に嬉しい事でした。
思わず友人にぎゅむっと抱きついて笑顔を向けた女の子

「みきが私の友達で良かったよ」

「…!…僕は彩夜なんて別になんとも思ってないけどな」

「いいもん、私が勝手に思ってるから」


男友達、女友達、似た者同士、…一方通行。

気がつかない。
隠れてる、淡い感情




閉劇。

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