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においふぇち




石鹸の匂いがする。   
最初にそうあの子に言われ
たのはいつだったかな。は
っきりとは覚えてないけれ
ど、確か付き合ってから少
し経った頃だったと思う。
そのあとに「香水つけてる
の?」って聞かれたんだっ
け。もちろん香水なんか僕
は付けていないし、(鼻が
きくせいかあんまり長い時
間香水を嗅いでると頭が痛
くなる)それどころかシャ
ンプーの香りにさえ僕は無
頓着だった。彼女はすん、
と可愛らしく鼻を鳴らして
匂いを吸い込むと「ん、い
ー匂い!私、好きだな」と
にっこり笑って言った。僕
からしてみれば、女の子特
有の甘い香り(まあ他の女
子の香りなんて嗅いだ事も
無いし興味も無いから知ら
ないけど)をした彼女のほ
うがよっぽどいい匂いがす
ると思うのだけれど、彼女
はいたく僕から香る石鹸の
匂いが気に入ったようで、
度々抱き着いては「いー匂
いー」と顔をほころばすよ
うになった。自分ではその
彼女の言う“石鹸の匂い”
というのはわからないけど
、気に入ってくれているな
らまあいいか。と最近では
気にしなくなった。シャン
プーが変わっても僕から香
る石鹸の匂いは変わらない
らしく、「これは石鹸の匂
いじゃなくて恭弥の匂いな
のかもしれないね!」と若
干意味のわからない事をこ
の間は言っていた。   
よくわからないけど、まあ
この子に懐かれる理由のひ
とつはこの匂いのおかげら
しいから、ひとまず彼女の
言う“僕の匂い”とやらに
感謝しておこうかな。  



   





― ― ― ― ― ― ― ― ―

(10.0209)


内容は…………、題名の通り
でしたね(笑)       
もっとセンス溢れる題名をさ
らっと付けれるようになりた
いものです…!       

さて、実は私も重度の匂いふ
ぇちですw        
でも香水の甘ったるい香りは
少し苦手で…、雲雀さんはき
っと石鹸みたいな清潔感漂う
香りを醸し出しているはず!!
という、今回はかなり私の願
望が混ざった小説になってし
まいましたw       



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