[携帯モード] [URL送信]
ページ:2



「でも、これがなんだって言うんですかね?」

「さあな…でも暗号の一部ではあるんだろうな」

「……ですよねー」


一般人にマフィアの戒律を読ませて何かなるのだろうか。絶え間なく聞こえる 次は12だぁ!だとか 食らいなさいAの威力を!だとかをキッパリハッキリ無視をしながら 続きを音読をする。


『Vassals must obey their King's orders.If Vongola were 2,he would be King.If she were A,you would be joker.A traitor is 10!he……』


全体を日本語に訳すとこうだ。


『裏切り者を殺せ。ファミリーは絶対である。家臣は王の命令には従わなければならない。ボンゴレが2ならば、彼はキング。彼女がエースならば、あなたはジョーカ。裏切り者は10だ!……』


ふむふむ。何やら途中からは戒律の内容ではない様子。私は探偵気分で顎に手を掛け うーんと唸って頭を捻った。最強と謳われるボンゴレが2――もしかしたらボンゴレの同盟ファミリーを大富豪に当てているのかもしれない。

するとロマーリオさんも気が付いたのだろう、私の肩をとんとんと叩き画面の一点を指差した。


「なあ深桜嬢、何かおかしくないか?ところどころ、最初が大文字になっていないところがあるぜ」

「え?…あ、ほんとだ…」


私の考えとは違う箇所ではあったが 確かにロマーリオさんの言う通りであった。二人で顔を見合わせ 試しに大文字になっていない単語を取り出して並べる。すると『f』から始まる単語が出てきたのだが 何と言う単語が分からない。イタリア語でも英語でもない単語。ロマーリオさんもお手上げだ、と肩を竦め 私達は途方に暮れてしまった。


「フューラー」

「え?」


そんな折突然後ろから掛けられた声。思わず反応して振り向くと ザンザスが私を見ており 美しいルビーの瞳と視線が絡まり合うと 面倒くさそうにゆっくりと口を開いた。


「フューラー。ドイツ語で指揮官、総統を指す」

「指揮官……あ、ありがとう…ございます…」

「…サッサと解け、このドカスが」

「(ドカスぅ?!)」


言いたいことだけ言って再び自分の世界へと沈むザンザスは 良い人なのか悪い人なのかよく分からない。彼は自分の育ての父を殺そうとし ツナ君達を陥れようとした。けれど 心からの悪人ならば今私を助けてくれはしなかっただろう。

兎にも角にも任務失敗の危機を乗り越え 私は一つ笑みを零すと暗号の解読へと戻った。ドイツ語用キーボードではないので 教えて貰った暗号を英訳して入力してみる。と、難なく次の画面へ移行し 安堵の溜め息が二つ部屋に響いた。




[*前へ][次へ#]

2/7ページ


あきゅろす。
無料HPエムペ!