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め!と異様に可愛らしい仕草で二人を制止するオカマさん。確か笹川君と戦った人だったような。繰り広げられる漫才に恐怖心も消え失せたかと思い 何気なく上座へ視界を移すと 椅子に踏ん反り返っている紅い瞳の人と目が合った。途端に身体中を駆け巡る言い様のない恐怖。


「……っ!」

「深桜嬢…!大丈夫か…!?」


小さな悲鳴を上げて 腰を抜かす私。無性に情けなくなるも こればかりは不可抗力だ。だって他の人達はまだ親しみがあるが――あの人は怖い。本物の殺気を漂わせ 私など指一本で殺せそうである。


「おい女、ボスの目の前で座り込むなど失礼だぞ!許さん!」

「す、すみません…!!」

「あーレヴィだけずりー!王子もそいつで遊びてーのに!」


光輝く鋭利なナイフを掲げる金髪の少年と傘を沢山持った強面の男性。その様子を見て 私は生命の危機をひしひしと感じた。しかしロマーリオさんが怯える私の前に立ちはだかり、金髪の少年と対峙する。


「ヴァリアー、彼女に手を出せば只では済まないぞ」

「貴様一人で俺達と渡り合おうなど、笑止」

「ししし!マジ良い度胸じゃん。ムカつくー」


今更ながらロマーリオさんと一緒で良かった、なんて考える私。けれど先程の紅い瞳の人が「ベル、レヴィ」と彼らを諫めるように名前を呟くと 彼らは途端に動きを止め悔しそうに舌を鳴らした。私の短かい人生が幕引きとなるような事態は 危機一髪で免れたらしい。


「マーモンの好きにさせろ」

「有り難いね、ボス」

「ちぇっ、運の良いやつー」


ふわり。黒いフードに 頬へペインティングをしている赤ん坊が 満足気な雰囲気と共に私の膝上へ着地した。そして彼は持ち前の可愛らしく小生意気な声色で口を開くのだ。


「山本深桜、跳ね馬から話は聞いているよ。あのリストを解いたんだって?」


赤ん坊のくせにリボーン君と同様何故か威厳があり 私は敬語で対応しなければならない錯覚に陥る。が、いかんせん身体が震えて言葉が出ない。だから千切れんばかりに首を上下に振って返事をすると レヴィが不満そうに低く唸った。




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