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「今回は訳ありで部下全員連れて行かなきゃなんないんだ。でもそうするとお前の護衛居なくなっちまうし…」

「ま、深桜嬢。観光だと思って一回来て見たらどうだ?」

「でも私企画あるし…」


ああ、聞いてない。「決まり決まり」なんてにこやかに会話する彼らの隣りで私はしょぼくれた。ふと その外せない用事が気になる私。女の勘とでも言うのだろうか、あまり良い予感はしない。


「行きます、行きますよ…また殺されそうになるの嫌ですし…」

「ああ、じゃあ出発は明日だ。俺もスーツ新調しなきゃな…あー憂鬱だぜ」

「はは、ボス、良い男っぷり見せつけてやれよ!」

「あの…一体何の用事なんですか?」


ギクッ。明らかにそんな効果音が聞こえた。私が怪しむように睨めば ディーノさんは目を逸し ロマーリオさんはお腹を抱えて大爆笑。私に言っては都合の悪いことなんですか、と問えばロマーリオさんがいたずらっぽく口を開いた。


「ははは、あのな深桜嬢…」

「だ――っ!!ロマーリオ、頼むから言うな!」

「何だよボス、どうせ見合いなんてすぐバレることだぜ」

「見合い?」


この場に似つかわしくない単語に首を傾げた。ディーノさんは恥ずかしそうに顔を赤くしてそっぽを向き、皮肉なことに その態度が事実だと示していた。人が大変な時にお見合いたぁ良い度胸だ。彼が見合いをしようとしなかろうと私には関係のないことだが 何故か腹が立った。


「へぇ…お見合いですか」

「いや、違…っ…わない…!」

「否定すんのか肯定すんのかどっちかにしたほうが良いと思うぜ」

「格好悪いですもんね」

「ち、違うんだ!これにはちゃんと理由があってだなぁ…!」

「理由があってもなくても、私には全然関係ありませんから」

「ボス、あんまり見苦しいと深桜嬢に嫌われるぜ」

「う…!」


私からは白い視線、ロマーリオさんからは呆れ返った視線。しゅるるっと萎むディーノさんを余所に 私はぷいっとそっぽを向いた。戦っている時は素敵だと思ってときめいたが、やはり思い違いらしい。胸の動悸が早くなるのを感じながら腕を組んだ。



惹かれ合う心、少しずつ気づき始めている己達の変化。蜘蛛の糸のように張り巡らされた罠は目前にあり――切り札のジョーカーを手招きして待構えているのだった。








(ディーノさんなんて知らない!)

(なぁ深桜、何で怒ってんだよ…?!)

code.04了
05に続く。

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やっぱり最後はヘタレで終わるのでした。
あと数人オリジナルキャラクターが出現する予定です。



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あきゅろす。
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